研究課題/領域番号 |
19K08582
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
山本 一博 鳥取大学, 医学部, 教授 (90303966)
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研究分担者 |
加藤 雅彦 鳥取大学, 医学部, 教授 (40362884)
三明 淳一朗 鳥取大学, 医学部, 准教授 (40372677)
衣笠 良治 鳥取大学, 医学部, 講師 (60598944)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 心不全 / フレイル / ダイナペニア / カルニチン / 横隔膜 |
研究開始時の研究の概要 |
社会の高齢化とともに心不全患者が急増しており、心不全パンデミックと呼ばれている。心不全は患者の生命予後およびQOLを損なう進行性の病態である。我々は、四肢骨格筋の筋力低下、呼吸筋のひとつである横隔膜の機能障害、栄養障害の各々が心不全患者の運動能やQOLを低下させることを明らかとした。栄養素の中では、カルニチンの欠乏が心不全患者の退院後の予後と関係していることを報告している。この研究では心不全患者における四肢骨格筋の機能、横隔膜の機能、カルニチンレベルの相互関連を観察研究で明らかとし、カルニチン投与に有効性が期待できる患者群を見出し、介入研究に結びつけることを目指している。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は心不全においてダイナペニアおよび横隔膜機能低下とカルニチン欠乏の関係を明らかとすることにある。観察研究において、心不全患者ではカルニチン欠乏がダイナペニアと関連していることが示唆された。一方、横隔膜機能とカルニチン欠乏には関連性を認めなかった。カルニチン欠乏を有する高齢HFpEF患者を無作為にカルニチン投与群と非投与群に分けて12か月経過を追ったところ、カルニチン非投与群では12か月の間に筋力が低下していたが、カルニチン投与群では筋力が保持されていた。 高齢心不全患者のフレイルの大きな要因のひとつであるダイナペニアに対してカルニチン投与が有用である可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高齢心不全患者のQOL低下にフレイルが大きな影響を及ぼしている。現在、心不全患者のフレイルに対する効果的な介入手段は確立していない。また、フレイルを有する高齢心不全患者の背景は多様であり、one-size-fits-allの発想では効果的な対策を講じることは困難とされている。本研究において、カルニチン欠乏とフレイルの大きな要因であるダイナペニアの関係が明らかとなった。この研究成果は、高齢心不全患者のカルニチン欠乏の有無をチェックする重要性、欠乏している患者へのカルニチン補充が効果的であることを示唆しており、高齢心不全患者のフレイル対策、さらにはQOL改善に寄与しうると考えられる。
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