研究課題/領域番号 |
19K08586
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
藤原 亮 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 助教 (20733447)
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研究分担者 |
平和 伸仁 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 准教授 (20315766)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 高血圧 / LPIN1遺伝子 / fld / 交感神経 / 脂質代謝 / fatty liver dystrophy / ゲノムワイド関連解析 / fldマウス |
研究開始時の研究の概要 |
私たちの研究グループではゲノムワイド関連解析を用いて、世界で初めてLPIN1遺伝子が高血圧感受性遺伝子であることを報告した。LPIN1遺伝子は、脂肪萎縮症のモデルマウスであるfatty liver dystrophy(fld)マウスの原因遺伝子であり、fldマウスでは全身の脂肪組織が欠落し、糖尿病・インスリン抵抗性・高トリグリセリド血症の病態を示す。しかし、LPIN1遺伝子と高血圧の関連を生体レベルで示した報告はない。そこで本研究では、fldマウスにおいて血圧が上昇することを明らかにし、基礎データの解析・薬剤(降圧薬)投与実験・脂肪移植実験により血圧上昇の機序を解明する。
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研究成果の概要 |
われわれはゲノムワイド関連解析によりLPIN1遺伝子が高血圧感受性遺伝子であることを報告した。そこでLPIN1遺伝子が実際に血圧に影響することを確認するために、LPIN1遺伝子欠損マウス(fldマウス)を用いて実験を行った。fldマウスは自由行動下24時間持続血圧測定において収縮期血圧と心拍数が有意に上昇しており、尿中カテコラミン排泄量が有意に増加していた。また中枢性交感神経抑制薬であるクロニジンに対する高い血圧応答を示した。これらの結果より、fldマウスの血圧上昇には交感神経系の活性亢進が関与していると考えられ、LPIN1遺伝子が本態性高血圧症の新たな標的遺伝子となることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
わが国の高血圧者数は約4300万人と推定され、高血圧に起因する脳心血管病死亡者数は年間約10万人であり、脳心血管病死亡の最大の要因である。しかし、3種類以上の降圧薬を用いても血圧がコントロールできない治療抵抗性高血圧は,10%以上にも達すると報告されており、血圧のコントロールは喫緊の課題である。本研究は、LPIN1遺伝子が生体レベルでも血圧調節に重要な役割を果たしていることを示した初めての報告であり、本態性高血圧症の新しい治療薬の開発につながる可能性がある。
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