研究課題
基盤研究(C)
申請者はこれまで血管機能を制御する極めてユニークな機構として、ストレス応答性細胞内プロテアーゼ「カルパイン」ファミリーを検証し、同機構が動脈硬化症、網膜症および腫瘍血管などの病態下で血管内皮細胞機能異常の主因となることを解明した。本研究提案では、リンパ管内皮細胞のタンパク質分解異常がいかにして動脈硬化症の形成に寄与するか、制御性T細胞との相互作用を中心に分子メカニズムの解明を目指す。
我々はこれまで血管機能を制御する極めてユニークな機構として、ストレス応答性細胞内プロテアーゼ「カルパイン」ファミリーを検証してきた。本研究提案では、カルパインの解析を通して、リンパ管内皮細胞がいかにして動脈硬化症の形成に寄与するか、免疫抑制の解析を中心に分子メカニズムを検討した。その結果、カルパインはリンパ管内皮細胞のTGF-b1産生に干渉し、循環血中の制御性T細胞を不安定化させる作用を有することが明らかとなった。この機構は、脂質異常症存在下でリゾリン脂質によって顕在化することが判明した。
一連の結果から、リンパ管内皮細胞のカルパインシステムは、脂質異常症存在下のリンパ管の形態維持だけでなく、制御性T細胞の安定性や動態にも影響することが判明した。既報から、脂質異常症においてリンパ管がリポタンパク質や免疫細胞の輸送経路として重要であることは明らかとなっていたが、直接的な免疫細胞の制御に関わっていることは本研究において初めて解明された。本研究は、動脈硬化症の発症原因の包括的な理解に資するものと期待される。
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すべて 雑誌論文 (14件) (うち国際共著 7件、 査読あり 14件、 オープンアクセス 9件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 5件、 招待講演 8件) 備考 (6件)
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