研究課題/領域番号 |
19K08595
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
神崎 秀明 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医長 (60393229)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 大動脈弁狭窄症 / 経カテーテル的大動脈弁置換術 / 左室拡張能 / 右室機能 / 左房機能 / 左室拡張障害 / 心エコー検査 / 心臓カテーテル検査 / 左室スティフネス / 左室拡張能障害 / 左室拡張不全 |
研究開始時の研究の概要 |
経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)は、高齢者など手術リスクの高い重症大動脈弁狭窄症患者を対象とした低侵襲治療であり、その後の心不全発症を防ぐことで、医療費の総額が抑制されることが期待されている。我々はこれまで、心不全患者で、高精度センサーカテーテルを用いて左室拡張能(時定数tau)を計測し、左室拡張機能障害が進行した症例では、治療介入の効果が限定的であることを報告してきた。本研究では、TAVIが成功しても心不全を発症するリスクの高い症例について、左室拡張機能の観点からその病態を明らかにし、TAVIの患者選択基準や治療介入のプランニングについて再検討していく予定である。
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研究成果の概要 |
経カテーテル大動脈弁留置術を受けた患者を対象に、術前の心臓カテーテル検査データから、左室拡張能を示すパラメータの一つである左室スティッフネスを計算した。スティフネスが高値を示す症例では、有害な心イベントが多く、多変量解析の結果、独立した予後規定因子であることが示された。さらに、術前の心エコーデータから、左房リモデリングの指標である左房容積(LAVi)/心房収縮期僧帽弁輪組織速度(a')比および、右室機能の指標である三尖弁輪収縮期移動距離(TAPSE)/肺動脈収縮期圧(PASP)比を求め、それらも予後予測因子であることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高齢者における重度大動脈弁狭窄症では、左室への長期間にわたる圧負荷により、左室拡張能だけでなく、その上流に位置する左房や右室も既に障害を受けている可能性がある。経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)は、高齢者を含む高リスク患者を対象とした低侵襲治療である。しかしながら当研究の結果、左室のスティフネス増加、左房リモデリングの進行、右室機能低下などの要因が併存する場合に、TAVI治療に成功してもその後心臓死や心不全入院を起こしやすいことが示された。これらハイリスク症例を同定し、早期の治療介入や適切な薬物治療を行うことによって、TAVIは健康寿命の延伸だけでなく医療費削減にも貢献すると考えられる。
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