研究課題/領域番号 |
19K08598
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鯉沼 代造 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (80375071)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 肺線維症 / TGF-β / マウスモデル / 血管内皮細胞 / 肺障害 / シグナル伝達 |
研究開始時の研究の概要 |
肺線維症の病態は未だ十分に解明されておらず、分子標的薬をはじめ治療法開発に光明が見出されるものの、分子病態のさらなる理解が求められている。本研究では肺線維症の病態に関与する主要なサイトカインの一つであるTGF-βシグナルに注目する。TGF-βシグナルについては近年特定の細胞種に特異的な制御機構が注目されており、この制御分子である細胞表面タンパクについて組織特異的コンディショナルノックアウトマウスおよびブレオマイシン肺臓炎モデルを用いた解析を行う。本研究を通して肺微小環境を構成する細胞群の肺線維症の病態への関与と同遺伝子の関係を明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究ではTGF-βというサイトカインの活性化の役割について、制御する細胞膜タンパクに注目して変異マウスの人工的肺線維症モデルの実験により検討した。その結果、この細胞膜タンパクを欠失したマウスでは、肺線維化ではなく肺炎症が増悪することが分かり、そのメカニズムもこれまで知られたTGF-βの活性化を介さないことが明らかになった。単一細胞毎の遺伝子の発現を調べる方法により、その炎症抑制作用に関わる細胞種の存在が示唆された。開発中の抗がん剤はこのタンパクを標的としており副作用の面で肺炎症抑制作用との関係を評価すべきと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺線維症は感染症など様々な原因による肺の炎症の治癒過程の結果として肺に残る傷跡でありその程度によっては呼吸機能に障害をきたす。線維化に関わる細胞の増殖を抑える分子標的薬の効果が出ているが、どのようなメカニズムが炎症と線維化に関わるか明らかにすることはよりよい治療法を開発するうえでなお必要である。本研究の対象とした膜タンパクを標的とする抗がん剤など創薬が進行している中、今回明らかになった肺炎症抑制作用はその副作用を考慮するうえで重要な知見になったと考えられる。
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