研究課題/領域番号 |
19K08600
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
藤澤 朋幸 浜松医科大学, 医学部, 助教 (20402357)
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研究分担者 |
鈴木 哲朗 浜松医科大学, 医学部, 教授 (00250184)
須田 隆文 浜松医科大学, 医学部, 教授 (30291397)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 線毛輸送系 / ウイルス感染 / 線毛運動 / Toll-like receptor / 生体防御 / 長時間作用性抗コリン薬 / ウイルス性気道感染 / 線毛輸送 / インフルエンザAウイルス / 粘液線毛輸送系 / 線毛機能 / TLR3 / インフルエンザウイルス / polyI:C / 線毛輸送能 / 線毛活性 / Toll様受容体 / 慢性気道疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
気管支拡張症,COPD,気管支喘息などの様々な慢性気道疾患において,粘膜線毛輸送系の障害が報告されており,これらの疾患の病態,とくに進展・増悪に重要な役割を果たしている.申請者は,気道上皮において,自然免疫応答で重要な役割を担うTLR (Toll-like receptor) のリガンドが粘液線毛輸送系に及ぼす影響を検討し,TLR3リガンドが遺伝子発現を介さずに粘液線毛輸送系を促進することを見出した.本研究では,TLR3を介した遺伝子発現に依存しない粘液線毛輸送系の促進機序を解明し,粘液線毛輸送系をターゲットにした慢性気道疾患の画期的な新規創薬に向けての基盤を築く.
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研究成果の概要 |
TLRを介した粘液線毛輸送系の促進機序を解明すべく,TLR3経路に着目して,polyI:CならびにインフルエンザAウイルス(IAV)感染による線毛輸送能・線毛活性の促進作用を,マウス気管組織培養と線毛運動イメージング解析法を用いて評価した.その結果,polyI:CならびにIAV感染は,TLR3経路を介して気道上皮のATP放出を増加させ,線毛輸送系を促進することを見出した.また,喘息・COPD治療に用いる長時間作用性抗コリン薬(LAMA)が線毛輸送能・線毛活性に与える作用を解析した.LAMAであるチオトロピウム及びグリコピロニウムは,気道上皮の線毛輸送能を促進することを見出した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究により,IAV感染において、気道上皮は線毛輸送系を促進して、気道の生体防御に寄与することが明らかとなった.この結果は,IAVだけでなくRNAウイルス全般(コロナウイルス,ライノウイルスなど),ひいては現在猛威を振うCOVID-19に対する気道の生体防御機構の解明に応用できる.さらに,メカニズムを詳細に解明することにより,線毛輸送系の促進をターゲットにした新たな創薬研究に発展させることが可能となる. また,既存の治療薬であるLAMAの新規作用として,線毛機能促進作用を明らかにしたことは,慢性気道疾患における生体防御の観点から臨床的な意義は大きい.
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