研究課題/領域番号 |
19K08618
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 東京医科大学 国立感染症研究所 (2019) |
研究代表者 |
柴田 岳彦 東京医科大学, 医学部, 准教授 (00739196)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 喘息 / 増悪 / RSウイルス / MMP-12 / M2様マクロファージ / 好中球 / 気管支喘息 / マクロファージ |
研究開始時の研究の概要 |
気管支喘息患者が感冒に罹ると、喘息の増悪をひき起こすことがしばしばある。感冒ウイルスである respiratory syncytial (RS) ウイルスは、喘息増悪因子のひとつとされるが、その感染に伴う喘息増悪機構は解明されておらず、根本的治療法もみつかっていない。このような状況下、最近我々は、RSウイルス感染に伴う喘息の増悪機構に関与する可能性があるいくつかの因子を見出した。そこで本研究では、これらの因子に焦点を合わせ、RSウイルス感染に伴う喘息増悪のメカニズムを解明することを目的とする。この解明は、その分子や細胞を標的とした治療の開発につながることが期待される。
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研究実績の概要 |
本研究では、RSウイルス感染に伴う喘息の増悪のメカニズムを明らかにすることを目的とした。特に最近研究代表者らが見出したRSウイルス感染に伴う喘息増悪モデルにおけるmatrix metalloproteinase-12 (MMP-12) レベルの亢進と好中球数の増加に焦点を合わせ、これらが病態の発症に関与するか、また関与する場合、どのように関与するかその機構の解明を試みた。 まず、喘息の増悪モデルを用いて野生型とMMP-12 KOマウスの応答を調べたところ、MMP-12 KOマウスにおいて増悪の改善がみられた。つまりMMP-12が喘息の増悪に関与していることが明らかになった。また、増悪グループにおいて増加する好中球を抗Gr-1抗体で枯渇すると、増悪が改善された。すなわち、好中球が喘息の増悪に関与することがわかった。なお、MMP-12は、気道上皮細胞に作用するとCXCL1産生を誘導し、標的細胞は不明だがIL-17の産生も誘導することが明らかになった。MMP-12はTh2サイトカインによって誘導されるM2様のマクロファージが産生することが知られている。一方、増悪グループでみられる多量のMMP-12産生はTh2サイトカインの刺激だけでは惹起されなかった。そのメカニズムの解明を試みたところ、RSウイルスの感染に伴い産生されるIFN-gammaがマクロファージのIL-4受容体の発現を促進し、よりIL-4やIL-13が作用することで多量のMMP-12を産生することがわかった。最後に、喘息の治療にはデキサメタゾンが有効なので増悪モデルに投与したところ、その改善はみられなかった。一方、デキサメタゾンの代わりにMMP-12阻害剤 (MMP408) を投与したところ、好中球数の減少、気道抵抗値低下がみられ、増悪が抑制された。 以上本研究結果より、RSウイルス感染に伴い多量に産生されるMMP-12が好中球浸潤の亢進を介して喘息を増悪させることが示された。この成果は、MMP-12を標的とした新規治療薬の開発につながることが期待される。
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