研究課題/領域番号 |
19K08624
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田辺 直也 京都大学, 医学研究科, 助教 (30805817)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 肺気腫 / COPD / 鉄代謝 / ヘモペキシン / 気道 / 恒常性 / 鉄 / 上皮 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は不可逆的な気流閉塞を主たる病態とし、末梢気道はCOPDの病理学的主座であり、破壊とリモデリングを呈することが近年明らかにされてきた。本研究では、鉄代謝異常がミトコンドリア機能の破綻から組織傷害の要因となりえることに注目し、「喫煙や気道感染など生体侵襲時に鉄代謝異常をきたす個体では、気道上皮の機能不全により、末梢気道の破壊とリモデリングを発症する」という仮説を検証し、COPDの新規治療標的候補の同定とバイオマーカーの確立することを目的とする。
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研究成果の概要 |
慢性喫煙暴露実験により、ヘモペキシンと末梢気道上皮の菲薄化、肺気腫形成促進の関連が明らかになった。ヒト肺組織の免疫染色により、2型肺胞上皮細胞、マクロファージにおけるヘモペキシン発現が、健常肺に比べて肺気腫肺では低下していた。喫煙暴露後に単離したマウス2型肺胞上皮細胞において、ヘモペキシン遺伝子発現の低下と生体の恒常性維持に必要なprotein quality control に関わるtripartite motif-containing 5, 12, 30の遺伝子発現の低下の関連を認めた。胸部CTを用いた形態評価手法の向上のための検討を行い報告した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本邦の500万人以上が罹患していると推定されているCOPDは、高齢者の予後、特に健康寿命を傷害する疾患としてその対策の必要性が言われている。禁煙は疾患進行を抑制しうる重要な手段であるが、一部の症例では禁煙後も末梢気道病変や肺気腫の進展が認められる。肺気腫に対する治療法の確立が求められており、今回の検討の結果、ヘモペキシンが末梢気道病変と肺気腫形成に関与することが示されたことは、新たな治療ターゲットの同定という点で意義のある結果であると考える。
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