研究課題/領域番号 |
19K08626
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松元 幸一郎 九州大学, 医学研究院, 准教授 (60325462)
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研究分担者 |
福山 聡 九州大学, 大学病院, 講師 (50380530)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ウイルス / 2本鎖RNA / インターフェロン / PD-L2 / PI3キナーゼ / 呼吸器 / PD-L1 / ウィルス / 気道 / PD-L2 / PI3キナーゼデルタ |
研究開始時の研究の概要 |
気道ウィルス感染の早期排除の方策は未確立である。申請者はウィルス由来の2本鎖RNAによって感染細胞に発現し抗ウィルス免疫を減弱させるPD-L1に着目した。PD-L1発現をPI3キナーゼデルタ阻害薬が抑制することを見出したが、阻害薬はもう一つの分子PD-L2の発現を逆に増強することを見出した。PI3キナーゼデルタ経路がPD-L1とPD-L2について相反した制御を示す意義を考察し、PD-L2が抗ウィルス的に機能するという仮説を立てた。そこで、ヒト気道上皮細胞とマウス気道のウィルス感染モデルを使用し、ウィルス感染におけるPD-L2の意義を検討し、創薬シーズとしてのデルタ阻害薬の妥当性を検証する。
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研究成果の概要 |
ウイルス由来の2本鎖RNAによって気道上皮に発現し抗ウイルス免疫を減弱させる分子PD-L1に着目し、PI3キナーゼデルタ阻害薬(以下デルタ阻害薬)がPD-L1発現を抑制することを先行研究で報告した。本研究では、ヒト培養気道上皮において2本鎖RNA刺激によるPD-L2発現をデルタ阻害薬は逆に増強することを見出した。2本鎖RNA刺激により上皮からI型、III型インターフェロン(IFN)が産生されるが、デルタ阻害薬はIFN産生を増強することを見出した。IFN産生抑制によってPD-L2産生増強反応が消失することから、PD-L1とPD-L2誘導へのデルタ阻害薬の効果の違いはIFN依存性の違いに基づく。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)や気管支喘息は罹患人口も多く、しばしば急性増悪を起こして社会活動に支障をもたらす。気道ウイルス感染はCOPDや気管支喘息の増悪の誘因となるが、その早期排除の方策は確立していない。我々はウイルス由来の2本鎖RNAによって気道上皮に発現し、抗ウイルス免疫を減弱させる免疫チェックポイント分子PD-L1に着目し、PI3キナーゼデルタ阻害薬がそのPD-L1発現を抑制すること報告した。一方デルタ阻害薬はもう一つの分子PD-L2の発現をインターフェロン依存性に増強することを本研究で明らかにした。これらの成果はデルタ阻害薬を抗ウイルス薬として臨床応用をめざすうえで重要な知見となる。
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