研究課題/領域番号 |
19K08629
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 広島大学 (2021) 大阪市立大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
西内 由紀子 広島大学, 学術・社会連携室, 特任准教授 (00333526)
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研究分担者 |
大原 直也 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (70223930)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 非結核性抗酸菌 / Mycobacterium avium / バイオフィルム / 2成分制御系 / 低酸素 / トランスクリプトーム解析 / 菌膜 / 情報伝達系 / センサーヒスチジンキナーゼ / MAC菌 |
研究開始時の研究の概要 |
肺MAC症は、MAC菌という結核菌によく似た菌の感染によって起こる肺の病気です。世界中で増加していますが、日本では特に増えています。浴室などの環境から感染すると考えられていますが、これらの場所ではバイオフィルムを形成して消毒除菌することが困難な状況です。MAC菌を除去するためには、まずMAC菌が形成するバイオフィルムを知ることが重要です。今までに低酸素環境でバイオフィルム形成が誘導されることを明らかにしてきたので、どのようなメカニズムで形成されるか最新の手法(RNAseq法)を用いて明らかにします。
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研究成果の概要 |
抗酸菌のMycobacterium avium subsp. hominissuis (MAH)は低酸素にするとバイオフィルム(BF)を形成するので、MAHが低酸素を感知してBF形成遺伝子群を発現していると考えた。この形成機構を解明するために、低酸素および大気下の遺伝子発現を比較した結果、低酸素を感知する2成分制御系の受容体遺伝子MAV_RS11960を同定した。本遺伝子の過剰発現株やBF形成の異なる環境分離3株の遺伝子発現の解析を実施し成果発表段階である。 MAHのBF構造や病原性解析の成果も発表し、これらの研究実績は環境や生体内での抗酸菌の動態を明白にして予防や治療戦略の基盤となる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺非結核性抗酸菌症は日本だけでなく世界中で増加しているので、その対策が望まれています。抗酸菌は環境でバイオフィルムを形成して環境から感染すること、生体内でも形成されていると考えられているので、抗酸菌のバイオフィルムの構造や形成機構を明らかにすることが重要ですが、ほとんどわかっていませんでした。本研究で抗酸菌のMycobacterium aviumのバイオフィルムの構造と低酸素受容体を介した形成機構について明らかにすることができました。これらの研究成果から環境や生体内での抗酸菌のバイオフィルム動態が明らかになり、感染源のバイオフィルムの除去や新たな治療方法の開発につながることが期待されます。
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