研究課題/領域番号 |
19K08630
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
久田 修 自治医科大学, 医学部, 准教授 (60466571)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 特発性肺線維症 / 2型肺胞上皮細胞 / 気管支肺胞洗浄 / 肺胞マクロファージ / 幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
難治性肺疾患の特発性肺線維症においては、遺伝素因と環境素因による2型肺胞上皮細胞の脆弱が病態形成に重要である。しかし、分離・培養の技術的困難から、ヒト疾患肺での2型肺胞上皮細胞の機能解析は進んでいない。そこで本研究では、ヒトの2型肺胞上皮細胞の培養技術を新たに確立し、手術検体を用いて2型肺胞上皮細胞の機能解析を行う。本研究の成果は、特発性肺線維症の病態に基づく新しい診断法・治療法開発の基盤 になる事が期待される。
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研究実績の概要 |
2型肺胞上皮細胞は、特発性肺線維症をはじめとする慢性呼吸器疾患において重要な役割を果たす。しかし、患者肺からの生細胞の入手や長期培養が難しいため、十分な研究が進んでいない。本研究は、こうした技術的制約を克服し、難治性肺疾患の研究基盤を構築することを目的とする。既に、マウス肺から2型肺胞上皮細胞を分離し、コンディショナルリプログラミング法により長期培養するプロトコルを確立した。また、肺がん手術で切除された非がん部位からヒトの2型肺胞上皮細胞を分離・培養し、将来の研究に備えて凍結保存するシステムも構築している。2型肺胞上皮細胞の研究では、患者肺からの細胞入手が難しいため、引き続き、患者から比較的容易に入手できる気管支肺胞洗浄液を利用して分離・培養を試みた。気管支肺胞洗浄液の残余検体をMACS法で処理することにより2型肺胞上皮細胞を分離し、コンディショナルリプログラミング法で長期培養する手法を確立した。この方法を使用することで、非侵襲的に患者の2型肺胞上皮細胞を取得することが可能となる。 本年度は、気管支肺胞洗浄液由来の2型肺胞上皮細胞の臨床的有用性を調査するため、白血球と気管支肺胞洗浄液由来の2型肺胞上皮細胞のテロメア長を比較検討した。その結果、白血球のテロメア長が短縮している患者では、気管支肺胞洗浄液由来の2型肺胞上皮細胞でもテロメア長の短縮が確認された。今後、より多くの患者数を対象に、2型肺胞上皮細胞のテロメア長と線維性間質性肺疾患の分類および予後との関連性を解析する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、気管支肺胞洗浄液由来の2型肺胞上皮細胞のテロメア長を測定した。しかし、患者の集積に時間を要したため、研究の進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、2型肺胞上皮細胞のテロメア長と線維性間質性肺疾患の分類、および予後との関連について解析を行う予定である。
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