研究課題/領域番号 |
19K08639
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
|
研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
矢寺 和博 産業医科大学, 医学部, 教授 (40341515)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 16S ribosomal RNA / 肺炎 / 慢性下気道感染症 / 非結核性抗酸菌症 / 嫌気性菌 / 細菌性肺炎 / 下気道感染症 / 網羅的細菌叢解析 / 真菌 / 抗酸菌 / 一般細菌 |
研究開始時の研究の概要 |
肺などの下気道における細菌叢は従来無菌と考えられていたが、健常人でも細菌叢が存在することや、慢性閉塞性肺疾患などの各種呼吸器疾患における細菌叢と各疾患の病態や増悪における知見が集積されている。本研究では、遺伝子学的手法を用いて、それらの病態・進展・増悪に焦点を当て、一般細菌、抗酸菌、真菌の各種菌叢の経時的な変化を網羅的に解析し、菌叢が与える影響を解明する。
|
研究成果の概要 |
肺炎患者(市中肺炎120名、医療ケア関連肺炎101名、院内肺炎73名)、慢性下気道感染症患者(31名)を対象に肺病巣部から直接採取した気管支肺胞洗浄液を用いて16S ribosomal RNA遺伝子をターゲットにクローンライブラリー法にサンガー法を組み合わせた手法で細菌叢解析を行い、患者背景別に検討した。 市中肺炎で嫌気性菌がより多く検出され、院内肺炎患者及び脳血管障害を有する肺炎患者でコリネバクテリウム属の細菌が多く検出された。慢性下気道感染症患者で、NTM検出群(14名)はNTM非検出群(17名)よりも嫌気性菌(特にプレボテラ属)の占める割合が多く、NTMと嫌気性菌の関連が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
医療ケア関連肺炎や院内肺炎は従来誤嚥の頻度が高く、嫌気性菌の関与が高い事が報告されてきたが、我々の解析結果では医療ケア関連肺炎や院内肺炎よりも市中肺炎において病巣部の細菌叢における嫌気性菌の検出頻度が高い事を示した。臨床において肺炎診療は原因菌がわかるまではガイドラインに基づいて抗菌薬選択が行われる場合が多いが、肺炎タイプ別、基礎疾患別の病巣部細菌叢の関わりが明らかになる事により、さらに基礎疾患を含めた患者背景まで考慮した抗菌薬選択を行うことでより正確な初期治療が可能になる可能性があり、社会的意義が深いと考えられる。
|