研究課題/領域番号 |
19K08656
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
眞田 宏樹 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (10837777)
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研究分担者 |
関 直彦 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (50345013)
水野 圭子 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (50531414)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | マイクロRNA / 間質性合併肺癌 / 扁平上皮癌 / 分子細胞呼吸器学 / 肺扁平上皮癌 / 間質性肺炎 / 間質性肺炎合併肺癌 |
研究開始時の研究の概要 |
我々のグループは以前、間質性肺炎合併肺癌・機能性RNA発現プロファイルの統合理解から、コラーゲン合成に関与する分子経路の活性化が、癌細胞の発生と転移に重要な役割を担う事を明らかにした。現在、間質性肺炎合併・肺癌患者、エクソソーム由来マイクロRNAの解析を継続している。これまでの解析データから、患者組織で高発現し、エクソソームを介して本疾患の悪化を促進するマイクロRNAの存在が明らかとなってきた。本研究では、間質性肺炎合併・肺癌患者(組織およびエクソソーム)で高発現しているマイクロRNAを起点として、間質性肺炎合併肺癌において特徴的な分子経路を明らかにし、治療法の開発に向ける。
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研究成果の概要 |
間質性肺炎合併肺癌(肺扁平上皮癌)のマイクロRNA発現プロファイルから、miR-150-3p(パッセンジャー鎖)の発現抑制を認めた。The Cancer Genome Atlas (TCGA)データベース解析から、LUSQ患者組織におけるmiR-150-3pの発現抑制を確認した。miR-150-3pを癌細胞株に核酸導入する事により、癌細胞の増殖能、遊走能、浸潤能が抑制された。この事から、miR-150-3pは、肺扁平上皮癌における癌抑制型マイクロRNAである事を証明した。miR-150-3pが制御する分子ネットワークを探索した結果、細胞周期に関わる遺伝子を制御している事を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺癌は最も致命的な癌の一つであり、2020年には約7万5千人の患者がこの病気で死亡した。特に間質性肺炎を合併した肺癌患者の治療選択は限定的であり、患者の予後は極めて不良である。現在、間質性肺炎合併肺癌患者に対する有効な治療法は存在しない。 本研究では、間質性肺炎合併肺癌(肺扁平上皮癌)において、miR-150-3pが癌抑制型マイクロRNAであることを明らかにした。疾患の原因について、癌抑制型マイクロRNAの一つが明らかになったことは、治療法の開発に向けた基礎研究としての学術的・社会的に重要な意義を持つ。
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