研究課題/領域番号 |
19K08677
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高橋 篤史 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (10704786)
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研究分担者 |
猪阪 善隆 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00379166)
高畠 義嗣 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (30403075)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | オートファジー / リポファジー / 近位尿細管 / 急性腎障害 / 脂肪滴 / PPARα / 脂質代謝異常 / リソソーム / 虚血再灌流 / PGC1α / 過酸化脂質 |
研究開始時の研究の概要 |
急性腎障害(AKI)は腎予後および生命予後を規定する重要な病態である。AKIでは脂質代謝異常が存在することが知られている。近年、研究代表者らは蓄積した脂肪滴のオートファジーによる分解、すなわちリポファジーが飢餓時の腎近位尿細管で生じており、脂肪滴の蓄積軽減、脂質代謝の亢進に関わることを報告した。更に研究代表者らはAKIでもリポファジーが起こるという知見を得ている。飢餓時の知見から類推すると、リポファジーはAKIでも脂質代謝異常に対抗する可能性がある。本研究では、AKIにおけるリポファジーの意義を解明し、最終的には薬剤によるリポファジー活性調節を介したAKIの制御への道筋をつけることである。
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研究成果の概要 |
(1)48時間飢餓後のマウス腎臓から脂肪滴分画を抽出、精製した。同分画をLC-3抗体で免疫沈降し、質量分析を行った。その解析によりリポファジーの過程に関わると推測される分子を数個同定した。 (2)AKI時に近位尿細管で亢進するリポファジーは腎保護に寄与するが、脂肪滴内に蓄積する過酸化脂質代謝産物がリソソーム機能障害を惹起し、リポファジー活性低下を引き起こす。PPARαアゴニストやferrostatin-1投与は過酸化脂質阻害やリポファジー活性化作用を介して、AKIを改善する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腎臓病を含め多くの疾患では、オートファジーを亢進させて細胞ストレスに対抗しているが、実際にはオートファジーを十分亢進させられず、停滞していることが病態を悪化させている。本研究ではAKI時のリポファジーを取り上げ、リポファジーの腎障害における役割とそれを亢進させる方法を探求した。当初企画したリポファジーの標的分子(受容体)は候補を見出したものの、その役割解明については研究途上である。しかしリポファジーを調節する分子としてPPARαを同定した。PPARαはそのアゴニストが実臨床で使用されていることから、臨床応用が容易で、社会的意義が大きいと考えられる。
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