研究課題/領域番号 |
19K08681
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
安達 政隆 熊本大学, 病院, 准教授 (90398206)
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研究分担者 |
向山 政志 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (40270558)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | セリンプロテアーゼ / 尿中トロンビン / 尿中バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
尿中トロンビン(TB)測定系を用いて、様々な腎疾患患者の尿を回収し、尿中TB排泄を定量することによって、各種腎疾患と尿中TB排泄量の関連性、腎疾患の病期や活動性との関連性について検討する。尿中TB排泄量の増加が、腎疾患の早期診断・再発・活動性を含めた腎疾患スクリーニングとして有用かを検討し、腎疾患治療により尿中TB排泄量が減少するかについても検討して治療効果判定のマーカーとしての有用性も評価する。また、➀薬剤誘発1型糖尿病モデルマウス、②2型糖尿病モデルであるdb/dbマウスなどで糸球体障害とともに糸球体内TB産生を検討し、尿中TB排泄機序を解明する。
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研究成果の概要 |
炎症の際に産生されるセリンプロテアーゼであるトロンビン(TB)に着目し、尿中TB濃度を定量的に測定可能なELISAの系を用いて各種腎疾患で大規模に尿中TB濃度を測定し、尿中TB排泄量を算出した。TB尿の出現頻度は膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN)、巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)、悪性腎硬化症で高いことが明らかとなった。また、顕微鏡的多発血管炎、糖尿病性腎症、IgA腎症、MPGN、悪性腎硬化症で尿中TB排泄量が多いことが確認され、尿中TB排泄量の測定が、腎疾患診断の補助となりうる可能性が示唆されたが、活動性半月体の出現率と相関しなかった。現在、尿中TB排泄量を規定する因子について検討している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでに腎疾患患者でELISA測定系を用いて大規模に尿中TB排泄量を検討した研究はない。尿中TB排泄量を測定することにより、①腎疾患の早期診断、②疾患活動性の評価や疾患再発の早期発見、③腎疾患の予後の推測、④治療効果の判定が可能となれば、迅速な診断かつ最適な治療介入により疾患の増悪による末期腎不全への進行を抑制することに繋がり、臨床医学的見地からも多大な恩恵をもたらすことが期待され、先進的な研究になると考える。最終的には年々増加し続けている透析導入患者数を減少させることが可能となれば、CKD領域における医療費の抑制に繋がり、医療経済的にも極めて意義深いものになると考える。
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