研究課題/領域番号 |
19K08689
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
斎藤 輪太郎 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 特任教授 (40348842)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | メタボロミクス / 腎臓病 / 機械学習 / メタボローム / 急性腎障害 / AI / バイオインフォマティクス / ネットワーク生物学 |
研究開始時の研究の概要 |
腎臓病患者は我が国に約1300万人いると見積もられている。薬剤ターゲットを選定したり、個別化医療を推進するためには、疾患関連遺伝子を網羅的に抽出した上で、疾患の分子メカニズムの全容を解明することが喫緊の課題である。申請者は、糖尿病性腎症や急性腎障害の患者の血液や尿のメタボロームデータを細胞内分子ネットワークにマッピングし、これをAI(人工知能)等を用いて解析することにより、腎臓病に関わる新規遺伝子探索を高い精度で情報科学的に予測するシステムの開発を提案する。
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研究成果の概要 |
メタボローム分析装置から得られる大量の解釈困難部分(未知ピーク)の有効利用の可能性を探り、また患者の代謝物質のパターンから急性腎症(AKI)の発症予測を行った。前者では、鶴岡メタボロームコホート研究参加者約3,000人分のメタボロームデータを活用し、生体内の代謝物質を反映すると思われる未知ピークを抽出するためのパイプラインの構築を行った。後者では、AKIを発症した患者の尿に特有の代謝物質の変化を発見できないか調べるべく、手術後に集中治療室に入室した患者121人の、未知ピークを含む尿中メタボロームの分析を行い、さらに機械学習を用いて、その後患者がAKIを発症するかを比較的高い精度で予測した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
代謝物質は生命活動の源であると同時に、生命活動の結果合成されるものでもあり、細胞内でどのような現象が起きているかを探る大きな手がかりとなる。細胞内の代謝物質の網羅的分析、すなわちメタボローム分析の応用分野は、分子生物学のような基礎研究にとどまらず、医学や食品学を含めた健康科学にまで広がっており、ガンなどの疾患進行のメカニズムの解明や、新規バイオマーカーの発見等、その成果は多岐に渡る。本研究成果は、メタボロームデータを効果的に情報処理し、検体に関するより多くの情報抽出を可能にするものである。機械学習を活用し、急性腎症発症の予測を比較的高い精度で行えたことでその医学的有用性が示唆された。
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