研究課題/領域番号 |
19K08701
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小島 博 名古屋大学, 医学系研究科, 特任助教 (50831369)
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研究分担者 |
水野 正司 名古屋大学, 医学系研究科, 特任教授 (20303638)
鈴木 康弘 名古屋大学, 医学系研究科, 特任講師 (20584676)
勝野 敬之 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (60642337)
小杉 智規 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (90584681)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 補体 / T細胞免疫 / C5a / CCR7 / NKT細胞 / 自然免疫 / 獲得免疫 / 急性腎障害 |
研究開始時の研究の概要 |
急性腎障害に補体とT細胞免疫はそれぞれ役割を果たすが、両者の相互作用については未だ不明である。最近補体が、樹状細胞(DC)の抗原提示から始まるナイーブT細胞(Th0)の分化増殖を調節することが注目され、DCとTh0細胞の会合に重要なCC-ケモカインレセプタ7(CCR7)発現が、補体活性化により誘導される可能性が報告されている。研究代表者らは補体C5aに注目してこれまで研究を進めてきたが、一方、CCR7欠損マウスで腎虚血再灌流モデル(IRI)において、野生型に比して腎障害が抑止されることを見出している。本研究において、CCR7を介したC5a経路の正の制御機構の存在を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究課題は、獲得免疫において重要な役割を果たすCCR7に注目して、補体系とT細胞免疫の相互作用の解明を目指した。CCR7は、樹状細胞(DC)とT細胞の会合や、DCの機能調節に役割を有し、T細胞免疫に重要な役割を果たす。一方で、補体H因子の存在がDCのCCR7発現低下をもたらした報告から、補体活性化がCCR7発現上昇を来す可能性が示唆されるが、その分子機構や意義は不明である。 CCR7欠損、及び野生型マウスを用いて、IRIモデル、CLPモデルを作成し、結果1、2を得た。結果1:IRIモデルでは、CCR7欠損マウスにおいて、腎障害が軽い。結果2:CLPモデルでは、CCR7欠損マウスにおいて、腎障害が重篤であり、個体生存率も低い。 IRI、CLPモデル何れにおいても、腎障害の明らかな差が、獲得免疫が作動する前の超急性期に出現したので、CCR7が自然免疫においても重要な役割を果たす可能性が示唆された。NKT細胞が、DAMPs・PAMPs刺激に迅速に反応することに注目し、CCR7の有無が、NKT細胞の機能発現に関与していると推測した。補体系とNKT細胞はともに、ナイーブT細胞の分化、増殖に関わり、その後の獲得免疫反応を決定づけるので、NKT細胞から分泌され、ナイーブT細胞分化に関わるサイトカイン、特にインターフェロン-γ(IFN-γ)に注目した。 NKT細胞特異的リガンドであるαガラクトシルセラミド(αGalCer)を、CCR7欠損、及び野生型マウスに投与し、結果3を得た。結果3:αGalCer刺激において、CCR7欠損マウスは血清IFN-γ濃度とNKT細胞IFN-γ mRNA発現の両者が、野生型に比して、低値である。 C5a-C5R axisがIFN-γ産生に関わることは既に報告されていたが、CCL19/21-CCR7 axisもNKT細胞のIFN-γ産生に関わることが示唆された。
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