研究課題/領域番号 |
19K08702
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
荒木 信一 滋賀医科大学, 医学部, 非常勤講師 (80378455)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 糖尿病性腎臓病 / 糖尿病性血管合併症 / 尿中NAD代謝産物 / 糖尿病性腎症 |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病性腎臓病からの透析導入患者数を減少させるためには、腎機能が低下するリスクの高い患者を早期に同定し、早期から適切な治療を開始することが有効な治療戦略と考えられる。本研究課題は、細胞内エネルギー代謝維持に不可欠なNAD+代謝経路に着目し、前向き経過観察研究で保存されている尿検体を用いて、HPLC-MS/MS法によりNAD+代謝関連分子の尿中排泄量の定量測定を行い、腎機能低下の新規バイオマーカーとなる可能性を探索する。
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研究成果の概要 |
糖尿病患者の予後改善を目指すためには、腎症を含む血管合併症の発症リスクの高い症例を早期に同定し、適切な個別化医療を実施することが重要となる。本研究課題では、NAD代謝産物の尿中排泄量が、糖尿病性腎臓病の病態ならびに血管合併症発症の予測因子となりえるかを検討した。200名の日本人糖尿病患者を対象に、2003-2004年に採取し長期保存している尿検体を用いて、NAD、NADH、1-MNAの3代謝産物濃度をHPLC-MS/MS法により測定した。現在、観察開始時の臨床データとの関連、ならびに中央値16年の観察期間で発症した腎・心血管イベントとの関連について検討を行っている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、透析患者の原疾患の第一位が糖尿病性腎臓病で約40%を占めている。また、糖尿病性腎臓病の重症化に伴い心血管イベントの発症リスクが高まっていく。微量アルブミン尿が糖尿病性腎臓病の早期指標として広く臨床の現場で用いられているが、アルブミン尿だけでは重症化指標として十分ではないことが明らかで、新たなバイオマーカーが望まれている。現在、本研究課題で測定したNAD、NADH、1-MNAの3代謝産物と臨床検査データならびに経過観察研究で得られている腎・心血管疾患発症との関連を検討しているが、尿中NAD代謝産物の排泄量が病態や予後と関連することが明らかになれば、今後の個別医療に貢献できると期待される。
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