研究課題/領域番号 |
19K08707
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
谷川 俊祐 熊本大学, 発生医学研究所, 講師 (10726318)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 病態再現 / iPS細胞 / 腎臓オルガノイド / ネフリン / 糸球体 / スリット膜 / ネフロン / iPS / 腎臓 / オルガノイド |
研究開始時の研究の概要 |
腎臓の糸球体は血液を濾過して不要な物質を尿中に排出し生体の恒常性を維持している。ネフリンは糸球体の濾過膜を構成する主要タンパク質であり、その異常は蛋白尿を引き起こすが根治的治療法は存在しない。近年、我々は先天性ネフローゼ患者由来のiPS細胞から糸球体を誘導することによって濾過膜を含む初期病態を再現し、ネフリンの膜移行が疾患原因であることを証明した。本計画では、濾過膜を再構築できる唯一の実験系である本法を基盤にして、ネフリンの動態メカニズムを解明し、濾過膜の形成及び再生を促進するシグナル・化合物の同定を目指す。本計画の知見は、先天性腎疾患の治療に留まらず、広く蛋白尿の低減に貢献すると期待される。
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研究成果の概要 |
ネフリンは腎臓の糸球体の濾過膜 (スリット膜)を構成する主要タンパク質であり、その異常は蛋白尿を引き起こす。しかし濾過膜を直接修復して蛋白尿を消失させる根治的治療法は存在せず、保存的治療にとどまっている。 本計画では、腎臓のネフロン構造や糸球体のスリット膜形成能を持つ唯一の実験系である腎臓オルガノイド誘導法を基盤にして、ネフリンタンパク質の動態メカニズムを解明するとともに、スリット膜の形成及び再生を促進するシグナル・化合物の同定を目的とした。その結果、ネフリンタンパク質の発現や局在を制御する化合物の候補を得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本計画では、ヒトiPS細胞由来腎臓オルガノイドを用いたネフリンの膜局在化を促進する化合物の同定を目的として実施し、いくつかの候補化合物を得た。申請者は本研究期間にヒトiPS由来ネフロン前駆細胞の増幅方法も報告しており(Tanigawa et al., Stem Cell Reports, 2019)、理論上、増幅した患者由来のオルガノイドを用いたスクリーニング系の確立が可能である。今後、変異ネフリンタンパク質の人為的制御が可能になると先天性疾患のみならず、濾過膜の傷害が関与すると考えられている糖尿病性腎症等他の慢性腎臓病などの糸球体の濾過機能が減衰した腎疾患に対する創薬にも発展が期待できる。
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