研究課題/領域番号 |
19K08709
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
平和 伸仁 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 准教授 (20315766)
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研究分担者 |
藤原 亮 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 助教 (20733447)
坂 早苗 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 助教 (90723320)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ATP2B1 / 水代謝 / カルシウム代謝 / 高血圧 / 尿細管 / 血圧 / 腎臓 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は、ミレニアムゲノムプロジェクトにおいて、ATP2B1遺伝子が高血圧との関連で重要であることを発見した。ATP2B1は、カルシウムポンプであるPMCA1をコードしているが、血圧との関連は不明であった。そこで我々は、血管壁特異的ノックアウト(KO)マウスを作成し、血圧上昇メカニズムを明らかにした。しかし、高血圧の成因としては、腎臓への影響を明らかにすることが重要である。そこで、本研究では、これらのマウスにおける腎臓の働きを検討するとともに、尿細管特異的KOマウスを用いて、血圧や電解質への影響とともに食塩負荷に対する反応を解析し、ATP2B1の腎臓における意義を明らかにする。
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研究実績の概要 |
ATP2B1遺伝子は、ヒトミレニアムプロジェクトにより証明した、本態性高血圧の重要な候補遺伝子である。本遺伝子から、CaポンプであるPMCA1が作られ、細胞内(サイトゾル)のCaを汲み出すことにより、細胞内Ca濃度を調節している考えられている。我々は、Cre-loxpシステムを用いて、血管平滑筋においてATP2B1発現を抑制すると血管平滑筋細胞のCa濃度が上昇するとともに、血管収縮力が高まることを証明した。同マウスでは、Ca拮抗薬が効きやすいことは、そのメカニズムにCaチャネルが関係していることを示唆するが、一方で、血管収縮力が高まるというメカニズムだけで高血圧が生ずるかどうかについては、いまだに疑念が残るところである。血圧が上昇すれば、代償的に腎臓からのNa排泄が増加して、体液量を介した血圧低下作用などが生ずる可能性がある。また、腎臓、特に尿細管は、生態におけるCa代謝の中核的臓器である。尿細管におけるATP2B1の役割は、高血圧のみならず生理的な意味においても興味深いが、その意義はほとんど知られていない。 そこで、我々は、本研究において、腎臓におけるATP2B1の役割を明らかにするために尿細管特異的なATP2B1KOマウスを作成し、その意義を解明することとした。ATP2B1 exon10をtargetとしてloxpで挟み込んだloxPマウスと遠位尿細管(~集合管)にCreを発現すKSP(cadherin16)マウスを用いて、 尿細管特異的ATP2B1ノックアウトマウスを作成した。本マウスでは、腎機能、血液生化学的検査に変化を認めなかった。尿生化学では、尿中Na排泄に差を認めなかったが、尿中Ca排泄が増加していた。さらに、KOマウスでは、尿量が有意に増加し、尿浸透圧が低下していた。そのメカニズムとして、AVPに対する反応性が低下していることが考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目的とするノックアウトマウスは、作成され研究がすすめられている。 本マウスでは、目的に遺伝子がノックアウトされている。 血圧や血液、尿生化学て検査も施行された。組織検査において、免疫学的検査も行うことができている。 自由行動下での血圧測定(観血的)も行うことができた。 現在、論文化をすすめている。
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今後の研究の推進方策 |
いままで得られたデータを確認、まとめ、意義を確認している。 さらに、食塩負荷のデータ解析、追加のマウス実験等を行なっている。 解析をすすめて、令和3年度に論文化による公表を目指している。
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