研究課題/領域番号 |
19K08732
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 徳島大学 (2021) 慶應義塾大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
長谷川 一宏 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (30424162)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | Nampt / NMN / NAD |
研究開始時の研究の概要 |
既に作出した NamptCKOで広範な TBM(tubular basement membrane) 肥 厚 = 尿細管基底膜肥厚 (PAM) 、線維化(マッソン)を認め、type IV collagen 増生がその実態である事まで同定できた。倫理審査認可の下、原因が糖尿病と明らかな為、本来施行例が限られるヒト糖尿病性腎臓病 腎生検も積極的に施行し、多数標本を採取しているが、これらでも重要な事に Nampt 低下と線維化が強相関した。今後、Nampt 低下が type IV collagen を増生する分子機序の詳細を同定し、新規医薬の標的分子としての意義を確立したい。
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研究成果の概要 |
我々は、長寿遺伝子でNAD 依存性脱アセチル化酵素であるSirt1の研究を進め、糖尿病性腎症で、近位尿細管Sirt1 が低下に続き、NMN産生酵素Nampt(nicotinamide phosphoribosyl transferase)が低下し、NMNが減少する事を我々は見出していたが、その機能について論文報告を完了(村丘寛和、長谷川一宏、脇野修、坂巻裕介、伊藤裕、Cell Reports 2019)した。TIMP1が上昇し、これにより糖尿病性腎症で尿細管基底膜、糸球体基底膜の肥厚や糸球体硬化の重要な細胞外マトリックスである4型コラーゲン増生が認められることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
透析の最大の原疾患である糖尿病性腎症(Diabetic Nephopathy, DN)は、透析のみならず、心血管合併症を引き起こし、生命予後を不良にするばかりか、これらの治療に要する医療費を増大させるため、社会的悪影響が大きい。糖尿病性腎症は、今もって糖尿病や高血圧への治療が中心であり、腎そのものへの有効な治療法は今もって存在しないことが、増え続ける一方の患者数と医療費増大に歯止めが利かない理由である。Namptの糖尿病性腎症における生体意義を明らかにした我々の今回の研究成果を今後さらに発展させることで、Nampt低下を抑止する治療薬への開発につながり得る学術的、社会的波及効果が考えられる。
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