研究課題
基盤研究(C)
抗PD-1抗体の効きやすさや効きにくさを決めるメカニズムについては基礎研究レベルで示されているが、実際に抗PD-1抗体投与を受けた患者のがん組織内で起きている現象を直接解析した研究は少ない。そこで本研究では、切除可能な皮膚転移を含む、多発転移を持った進行期メラノーマ患者を対象に、抗PD-1抗体治療前の組織および縮小中や増大に転じた組織において、浸潤するT細胞と癌細胞の機能、性質などを網羅的に解析して、治療の選択により役立つ指標を探す。
抗PD-1抗体治療の効果の中心を担う重要な腫瘍特異的T細胞だけを活性化するために重要な分子を探索した。網羅的解析によって腫瘍特異的T細胞に選択的に発現され、その制御に直接関わる分子を複数同定した。その一つ、TIGITについてはがん細胞側に発現されるそのリガンド、CD155と結合して、抗PD-1抗体治療の効果を弱めていることを証明した。そのほかの候補分子についても解析中である。
現在、抗PD-1抗体の臨床判断に役立つような鋭敏なバイオマーカーはない。その理由として、腫瘍内の腫瘍特異的T細胞の性質や機能を直接に評価する研究がほとんど行われてこなかったことが挙げられる。今回の研究では、腫瘍内の腫瘍特異的T細胞を正確に同定してフォーカスし、網羅的に解析した。解析対象を重要なT細胞のみに絞ることで、従来では見つけることができなかった鋭敏なバイオマーカーや治療標的としての候補分子を発見した。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 3件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (16件) (うち招待講演 11件) 備考 (3件)
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