研究課題/領域番号 |
19K08746
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
國貞 隆弘 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30205108)
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研究分担者 |
青木 仁美 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 講師 (10550361)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 白髪 / 毛包幹細胞 / HMGB2 / 老化 / 色素細胞幹細胞(MSCs) / 幹細胞ニッシェ / 白髪モデル / 色素細胞幹細胞 / 色素細胞幹細胞ニッシェ因子 / X線 |
研究開始時の研究の概要 |
X線照射による白毛化(毛包の色素細胞の喪失)の主因が毛包ケラチノサイトのニッシェ機能の喪失であることから、X線照射後のケラチノサイトのプロテオーム解析により発現が変動する遺伝子に注目し、HMGB2遺伝子を同定した。この遺伝子のノックアウトマウスはX線による白毛化の閾値が低いという予備的な結果から、HMGB2が毛包ケラチノサイトに発現する新たな色素細胞幹細胞のニッシェ因子と予想された。本申請では、HMGB2ノックアウトマウスに異なる3種の手法で白毛化を誘導してX線による白毛化を厳密に検証し、白髪との関連及び小分子量化合物などを用いたHMGB2経路の操作による白髪の予防・回復を目指す。
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研究成果の概要 |
正常ヒト表皮角化細にHMGB2のsiRNAを投与し発現量を減少させた後、放射線を照射すると活性酸素量、ミトコンドリアの傷害性、DNA損傷が増加した。次に、CRISPR-Cas9システムを用いてHMGB2KOマウスを作製したところ、通常老化では白髪化の促進は認められなかったが、放射線照射により毛包幹細胞がDNA損傷を受け、放射線による白髪化が有意に促進された。また、ヒトの表皮では年齢依存的にHMGB2量が減少していた。以上のことから、表皮のHMGB2は老化に伴って減少し、放射線による白髪化防止に寄与していることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
HMGB2がどのような老化現象に関わるか詳細に解明するにはHMGB2の発現細胞、発現部位の確認、HMGB2と既存老化マーカーとの相関性などのデータが必要である。さらに、表皮を含めた様々な細胞でHMGB2発現を促進する化合物をスクリーニングすれば、HMGB2を標的にした有効なアンチエイジング薬(白髪防止剤を含む)を提供できると考えている。最近、適度な運動により神経細胞でのHMGB2発現を高め、老化によって減少する海馬の神経刺激・神経新生を促進できることが報告された。このようにHMGB2は様々な老化現象に関与することが知られてきており、注目すべき抗老化因子と考えられる。
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