研究課題/領域番号 |
19K08757
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
須藤 一 順天堂大学, 大学院医学研究科, 非常勤講師 (90286740)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | アレルギー / 接触皮膚炎 / サイトカイン / マウスモデル |
研究開始時の研究の概要 |
IL-21は、1型免疫応答だけでなく、2型免疫応答や3型免疫応答を促進するサイトカインである。接触皮膚炎は従来、1型免疫応答とみなされていたが、遺伝子欠損マウスを用いた解析より、2型および3型サイトカインの寄与も大きいことが明らかにされている。1型、2型及び3型免疫応答に関わるIL-21は、接触型過敏症の誘導に何らかの影響を与えていると推察されるが、その役割は不明な点が多い。そこで、本研究では、IL-21受容体欠損マウスを利用して、接触型過敏症の発症機構におけるIL-21の役割を個体・細胞・分子レベルで明確にすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
IL-21は、さまざまなヘルパーT細胞サブセットの分化・活性化に関わるが、接触皮膚炎における役割については不明である。本研究の成果として、IL-21R欠損マウスでは、野生型マウスに比べて接触皮膚炎が増悪した。つまり、IL-21は接触皮膚炎を抑制する働きがあることが明らかになった。そこで、IL-21R欠損IL-10レポーターマウスに接触皮膚炎を誘導したところ、野生型レポーターマウスと比較して、皮膚樹状細胞でIL-10の産生の減弱が認められた。したがって、IL-21は皮膚樹状細胞からのIL-10産生を増強することで接触皮膚炎の抑制に関わることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
IL-21には接触型過敏症を抑制する新規機能があることが明らかになった。本研究を遂行することにより、IL-21による接触型過敏症を抑制する分子機構が明確になれば、接触型過敏症の発症機序の全容の理解に貢献できるだけでなく、IL-21を標的とした接触型過敏症の予防・治療への創薬の開発基盤となる基礎的知見を提供できると期待される。また、接触型過敏症の発症機序における、このIL-21の意外な作用の解析は、昨今のIL-21の生理作用の注目度から鑑みても、当該皮膚関係の分野のみならず、基礎免疫の分野でも学術的に非常に重要な位置を占めることが期待される。
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