研究課題/領域番号 |
19K08764
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中村 秀樹 北海道大学, 医学研究院, 助手 (60435956)
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研究分担者 |
西江 渉 北海道大学, 医学研究院, 客員教授 (20443955)
柳 輝希 北海道大学, 大学病院, 講師 (50755973)
泉 健太郎 北海道大学, 医学研究院, 助教 (50793668)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | VII型コラーゲン / 有棘細胞癌 / 遠隔転移 / 網羅的ゲノムスクリーニング / CRISPR/Cas9 |
研究開始時の研究の概要 |
COL7発現をノックアウトした不死化角化細胞(HaCaT細胞)の19,500種類の遺伝子を、1細胞につき1遺伝子ずつランダムにゲノム編集し、癌化し浸潤・転移を来した細胞から標的となった遺伝子を次世代シークエンサーを用いて同定する。独創的な手法で、DEB関連SCCの浸潤・遠隔転移機構の解明を目指す
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研究成果の概要 |
本研究は、VII型コラーゲン(COL7)遺伝子の変異で生じる栄養型表皮水疱症(DEB)患者に発生する有棘細胞癌(SCC)の遠隔転移機構を解明することを目的としている。網羅的ゲノム編集を行なったDEB患者モデルの表皮細胞はマウスの皮下に移入しても遠隔転移を生じなかったが、DEB患者モデルの皮下腫瘍は通常の表皮細胞で生じる皮下腫瘍よりも全体の構築が不整で、周囲に線維化や血管増生が見られた。この結果から、DEB患者モデルの皮下腫瘍は基底膜構築異常を介した周囲の組織環境変化を引き起こすことが示唆され、これらの変化がDEB患者におけるSCCの遠隔転移メカニズムの一因である可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、栄養障害型表皮水疱症患者(DEB)の表皮細胞は癌化する前に血管増生などの遠隔転移に繋がる組織環境を作ることが明らかとなった。今までは、線維芽細胞が主に関連するTGF-βの持続的な活性化に伴う慢性炎症がDEB患者の表皮細胞を取り囲む組織環境を変化させていると考えられてきた。本研究で得られた、DEB患者の表皮細胞自体が周囲の組織環境を遠隔転移しやすいように変化させる新たな知見は、今後DEB患者の表皮細胞を標的とした有棘細胞癌の予防法や治療法の可能性を示唆する。
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