研究課題/領域番号 |
19K08766
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 金沢医科大学 (2021) 群馬大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
清水 晶 金沢医科大学, 医学部, 教授 (70396638)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | レトロトランスポゾン / LINE-1 / 皮膚筋炎 / インターフェロン / ウイルス / メチル化 / ウイルス感染 |
研究開始時の研究の概要 |
皮膚筋炎はそのウイルス性発疹様の皮疹、筋症状、間質性肺炎の合併から、何らかのウイルス感染の関与が疑われてきた。SLEではその初期病態にI型IFN上昇が報告され、最近レトロトランスポゾンLINE-1の関与が報告された。本研究課題ではこれまでの予備的知見を多検体で立証し、皮膚筋炎初期の病態形成にI型IFN発現上昇がどの様に関わるかを明らかにする。さらにLINE-1発現上昇に加えウイルス感染が関与している可能性もあり検証する。これらの研究成果により、皮膚筋炎の新たな初期病態の形成機序を解明し、根本的治療法の開発につなげたい。
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研究成果の概要 |
自己免疫疾患患者の末梢白血球よりRNAを抽出し、LINE-1などのレトロトランスポゾン、I型-III型IFN、ヤーヌスキナーゼ(JAK)、シグナル伝達兼転写活性化因子 (STAT)、IFN誘導遺伝子(ISG)の遺伝子発現を解析した。皮膚筋炎と自己免疫水疱症の治療中患者の末梢白血球ではI型IFNが上昇していた。各々の遺伝子発現の相関関係を、スピアマン相関係数を用いて解析し、皮膚筋炎、SLE、自己免疫水疱症いずれにおいてもI型IFNとLINE-1に正の相関を確認した。その下流のJAK、STAT、ISGの発現や相関については疾患毎に異なるパターンが見られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自己免疫疾患は自己抗体を産生する慢性炎症疾患である。標的臓器が多臓器に及ぶ全身性自己免疫疾患である全身性エリテマトーデス(SLE)や皮膚筋炎は有効な治療法が限られる難病であり、I型インターフェロン(IFN)が病態に関与するとされる。I型IFNは通常ウイルス感染に応答して産生されるが、代表的レトロトランスポゾンである長鎖散在反復配列(LINE-1)もI型IFN産生を誘導する。今回、皮膚筋炎、SLE、自己免疫水疱症などの自己免疫疾患においてLINE-1発現を起点としたI型IFNやその下流の経路が病態に関与する可能性を示した。
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