研究課題/領域番号 |
19K08778
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
|
研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
高橋 健造 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80291425)
|
研究分担者 |
山口 さやか 琉球大学, 病院, 講師 (70571397)
内海 大介 琉球大学, 医学部, 特命助教 (40551958)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 皮膚科学 / 加齢医学 / 慢性炎症 / 表皮 / 免疫抑制 / 皮膚老化 / OCX2 / プロスタグランディンE2 / 内因子老化 / 外因性老化 / 内因性老化 / CCL11 / COX2 / カスペーズ1 |
研究開始時の研究の概要 |
我々はこれまでに、マウス皮膚の自然老化は、プロスタグランディン合成酵素であるCox2やカスパーゼの誘導を伴う持続性炎症が誘導される帰結であることを明らかにした。即ち、加齢による内因性皮膚老化は、紫外線暴露などの外因性老化と、必ずしも明確に区別できる現象ではなく、介入可能な可逆性の変化であると考えた。さらに、この老化皮膚こそがCCL11に代表される中枢臓器の老化誘導因子の供給源であることを見いだした。具体的には、AP-1結合蛋白の各群をコードする fos,などの最初期遺伝子群の発現が、高齢・超高齢とマウスが加齢するに伴い発現が亢進することを確認した。本課題ではこの中枢性老化への可逆性に取り組む。
|
研究成果の概要 |
高齢化マウスの皮膚において、Cox1やカスパーゼ1や最初期遺伝子群の発現が亢進しており、血清因子の移入により若年マウスにも誘導された。CCL11の表皮での発現も加齢とともに増強し、発現量は表皮の他の分泌蛋白と比較しても、充分な発現量であった。微小な慢性炎症が皮膚を場として持続する事で、皮膚のダメージから老化へと連続する現象として理解された。 抗TNFa抗体やCOX2阻害薬により、一部の最初期遺伝子群や、COX2、CCL11の発現亢進が解除された。これまで個別に探索されていた各臓器の老化現象が、実は個体内では相互に関連し、総和的に個体の老化が進行することを示唆した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マウスの各臓器の老化現象が個体内では相互に関連し、総和的に個体の老化が進行する事が理解された。加齢したマウスの皮膚において、外的因子による老化病態と内因性因子による老化現象は、必ずしも明確に区別できる現象ではなく、少なくとも一部は、互いにCOX2の誘導を伴う持続性の微小慢性炎症の帰結であることを明らかにした。抗ヒトの各臓器の老化は個別に進行するわけではなく、互いに相乗的に進行する現象であり、高齢者に生じる様々な老化現象や臓器機能の低下の多くが同根であり、少なくとも一部の進行は抑制可能であると考えられる結果である。
|