研究課題
基盤研究(C)
単球が関わる各種炎症性刺激に対する反応性を,NOD2の下流分子に着目して検証することで,変異NOD2に直接関わる経路,間接的に関わる経路,NOD2に関わらない経路を明らかにすることで,生体防御を妨げることなく過剰な肉芽腫反応を抑制する治療戦略の端緒を見出す。肉芽腫が関わる感染症や代謝異常症,あるいは自己に対する反応など,肉芽腫反応が関わる様々な病態解明の端緒となる有益な情報をもたらすと期待される。
肉芽腫形成のメカニズムには不明な点が多く,特異的治療法も確立していない。我々はNOD2遺伝子の機能獲得型変異により自己炎症的機序から皮膚・関節・眼に肉芽腫を形成する単一遺伝子病であるブラウ症候群を肉芽腫形成のモデルとして,患者由来iPS細胞を樹立するなど独自の手法を用いて成果を報告してきた。しかしながら,遺伝子や蛋白発現の網羅解析では健常者との間に差異を明らかにできず,ブラウ症候群を特徴づける肉芽腫形成の病態解析の端緒を見出せずにきた。これに対して,翻訳後修飾の1つであるリン酸化に着目した解析から,現在解析を進めている分子Aの免疫調整機構を同定することができた。
肉芽腫形成のメカニズムには不明な点が多く,特異的治療法も確立していない。皮膚・関節・眼に肉芽腫を形成する単一遺伝子病であるブラウ症候群は,国内での報告例が50例程度の希少疾患であるが,NOD2遺伝子の機能獲得型変異により自己炎症的機序から肉芽腫を形成する疾患であることから,肉芽腫形成のメカニズムを解明する上でのモデルとして適している。本研究において,タンパク翻訳後修飾の1つであるリン酸化に着目した解析から,分子Aを同定した。この分子A自身も翻訳後修飾に関わる分子であり,肉芽腫形成のメカニズムに翻訳後修飾が関わっている可能性という新たな病態解明の糸口が見出された。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 3件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
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