研究課題/領域番号 |
19K08785
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
岩尾 泰久 国立感染症研究所, 薬剤耐性研究センター, 主任研究官 (90813684)
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研究分担者 |
中田 登 国立感染症研究所, ハンセン病研究センター 感染制御部, 室長 (70237296)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | らい菌 / 薬剤耐性 / 一塩基多型 / Nested multiplex PCR / 少菌型 / 他菌型 / アンプリコン解析 / 多菌型 / Nested Multiplex PCR / Leprosy / Paucibacillary (PB) / Multibacillary (MB) / SNP / Drug resistance |
研究開始時の研究の概要 |
ハンセン病はらい菌による皮膚感染症である。らい菌は人工培養できないため、薬剤耐性の診断等はDNA検査に依存している。臨床試料にはヒトDNAが多量に混在するため、らい菌のゲノム解析は困難である。そのため、らい菌の遺伝子解析では、標的遺伝子を多量に増幅する実験系の解析が不可欠である。本研究では、臨床試料かららい菌の塩基配列をゲノムワイドに収集し網羅的に解析することを目的とする。らい菌の薬剤耐性変異と膨大なSNP領域を一括して増幅可能なNested Multiplex PCR法とアンプリコン解析を組合せた実験系を構築する。ゲノムワイド関連解析により、株間における遺伝多型の生物学的意義の解析を行う。
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研究成果の概要 |
らい菌はハンセン病の原因菌で、その病型には多菌型と少菌型がある。両病型由来のらい菌の薬剤耐性とSNP型別を同時に同定できる、NGS解析を併用したNested Multiplex PCR法の開発を行った。開発した方法を用いて、2人の少菌型ハンセン病患者、9人の多菌型ハンセン病患者、6人の病型未定ハンセン病患者の臨床検体を解析した。少菌型の検体を含め、全検体の薬剤耐性とSNP型別を同定した。型別では1A、1D及び3K型が同定された。ブラジルの検体から1A型を初めて検出した。薬剤耐性に関しては、3K型の3検体でfolp1のアミノ酸配列53位と55位に変異を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
らい菌は人工培養できないため、薬剤耐性診断や感染経路の特定はDNA検査に依存している。少菌型臨床試料ではらい菌DNAは微量であり、ヒトDNAが多量に混在するため、ゲノム解析は困難である。そのため、らい菌の遺伝子解析では、らい菌の遺伝子を多量に増幅する実験系の解析が不可欠である。本研究で開発したNGS解析を併用したnmPCR法は、少菌型の検体を含め、あらゆる臨床検体から直接らい菌の薬剤耐性とSNP型を同時に同定でき、薬剤耐性の情報を臨床にフィードバックできる。また、本解析法はprimerを変更することで、新規の薬剤耐性変異領域にも対応可能であるため、遺伝子解析へのさらなる応用が可能と考えられる。
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