研究課題/領域番号 |
19K08786
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岩田 浩明 北海道大学, 大学病院, 講師 (20397334)
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研究分担者 |
西江 渉 北海道大学, 医学研究院, 客員教授 (20443955)
氏家 英之 北海道大学, 大学病院, 講師 (60374435)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 水疱性類天疱瘡 / 17型コラーゲン / 補体 / 自己抗体 / Fc結合タンパク / NC16A / 病原性抗体 / 抗原枯渇 / C1q / 自己免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
自己免疫疾患の病態に補体は、炎症細胞の誘導を介して局所の炎症を引き起こして病態に関与する。本研究では、補体が炎症以外の作用により自己免疫性水疱症(特に水疱性類天疱瘡)の病態に関わっていると仮説を立てて検証する。 1) 補体活性化能を有する水疱性類天疱瘡の病原性・非病原性モノクローナル抗体を作成し、補体C1qが自己抗体による自己抗原の枯渇を促進し水疱形成や病勢の悪化に関与する可能性を培養細胞およびマウス実験を通じて明らかにする。 2) 古典的補体活性化経路の初期因子C1qと自己抗体の結合を阻害するペプチド療法や抗体療法、小分子化合物治療などの新規治療の開発を試みる。
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研究成果の概要 |
水疱性類天疱瘡の水疱形成には補体を介した炎症が必須とされたが、必ずしも必要な条件ではないことをこれまでに示した。しかし、補体が自己抗体の定常領域に結合することで自己抗原BP180の細胞内への取り込みが促進されることを証明した。この際、最初に結合する補体C1qは、自己抗体刺激によりケラチノサイトも産生することが示された。つまり、自己抗体により自己抗原の減少と同時に補体C1qの産生が生じてそれがさらにBP180の細胞内への取り込みを促進するということが水疱形成に重要であることが示唆された。補体を介した炎症は、病気の重症化に関与するが水疱形成には必須ではないと考えられる結果である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水疱性類天疱瘡の治療は、根本原因となる自己抗体を減らすことを目的とした治療戦略が主体である。今回の研究成果は、単なる免疫抑制による自己抗体の抑制のみでなく補体を治療ターゲットとした新たな治療選択肢の可能性が広がる。免疫抑制治療は、しっかり使うことで有効性は期待できるが副作用も比較的多い治療である。補体などFc結合タンパクによる抗体の性質変化を抑制する治療法は新しい治療ターゲットとなりうる可能性があり、副作用も軽減できることが期待される。
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