研究課題
基盤研究(C)
中條-西村症候群は戦前から本邦で報告されてきた遺伝性炎症性難病ですが、近年、プロテアソームと呼ばれる蛋白質分解機構の異常が原因であることが判明し、世界各地から似た症例が多数報告されています。病態が明らかになるに従い、全身性エリテマトーデスなどの自己免疫疾患と同じくインターフェロン異常を呈する疾患であることがわかってきました。そこで本研究では、インターフェロン異常の存在が想定される凍瘡(しもやけ)様皮疹を呈し病理学的に液状変性を示す未診断症例について、網羅的ゲノム解析によって責任遺伝子変異を見出しその機能異常を明らかにすることで、新たな創薬ターゲットとなる機能的分子を見出すことを目指します。
乳児期から発熱と凍瘡様皮疹を反復する父子に見出された、これまでに疾患関連報告のないIFN調節遺伝子のヘテロ変異について機能解析を行い、患者由来検体にてIFN応答異常を認めたが、遺伝子変異を導入した培養細胞では異常を示すことができなかった。生後間もなくから全身に浸潤性紅斑を認めた症例と高齢発症の再発性耳介軟骨炎と多形紅斑様皮疹を呈する症例の遺伝子解析を行い、それぞれSAMD9L関連自己炎症性疾患(SAAD)とVEXAS症候群と診断した。さらに再発性多発性脂肪織炎の幼児例、進行性顔面限局性脂肪萎縮の成人例、重度の凍瘡様皮疹の高齢男性例などの遺伝子解析を行い、候補遺伝子について病原性を精査中である。
乳児期から発熱と凍瘡様皮疹を反復する父子例に、これまでに疾患関連報告のないIFN調節遺伝子のヘテロ変異を同定し、その機能解析を本研究の中心課題として取り組んだが、疾患の原因と確定するには至らなかった。コロナ禍を挟み5年間研究を継続したにも関わらず、新規疾患関連遺伝子を見出すには至らなかったが、既報疾患ながら本邦初の症例を見出すなど、IRUDや厚労研究班などの大きな枠組みと連携し、臨床病理像と遺伝子変異の意義の双方をよく理解したphysician-scientistが臨床現場からターゲットを絞った研究を機能的に運営することで大きな枠組みの隙間を埋める、という当初の目標の一部は達成できたと考える。
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