研究課題/領域番号 |
19K08805
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛 |
研究代表者 |
佐藤 貴浩 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 皮膚科学, 教授 (30235361)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 痒疹 / 好塩基球 / IL-31 / ERK2 / アロネーシス / 痒み / Mechanical itch / Amphiregulin / 瘙痒 / 発汗異常 |
研究開始時の研究の概要 |
痒みは“掻きたいという欲求をもたらす不快な感覚”と定義され、皮膚に付着した不要ないし有害なものを払いのける防御機構として必須な感覚である。しかしながら病的な状態での慢性的な痒みはヒトにとって苦痛であり、QOLや労働生産性を極端に下げ大きな精神的負担にもなる。痒疹は頑固な痒みを伴う慢性的なアレルギー性疾患の代表である。治療の主体はステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬であるがその治療効果は限定的であり、患者の苦痛を取り除くには程遠い。本研究では痒疹にみられる免疫異常や皮膚の生理機能の異常などを研究し、さらに痒みを引き起こすメカニズムを明らかにして将来の治療に役立てることを目的とする。
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研究成果の概要 |
痒疹病変形成には好塩基球由来のamphiregulinが必要であることを示した。また疥癬にみる痒疹結節ではM2マクロファージがIL-31を多く産生していた。慢性接触皮膚炎や痒疹反応でのmechanical itchに中枢神経ERK2が関与していた。この現象にはurocortin3陽性ニューロンにおけるERK2が重要と推測された。経験症例から難治性痒疹や神経障害性そう痒に基づく痒疹病変でそれぞれデュロキセチン、ミロガバリンが有効な手段になるうる知見がえられた。今回痒疹診療ガイドラインを改訂し、本邦及びわが国の考え方を広めるべく欧文としても発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
痒疹の発症機序の一部、そしてかゆみサイトカインであるIL-31の産生細胞、さらに痒みを伝達する中枢神経でのシグナルにおけるERK2の役割などが明らかになり、痒みや痒み過敏に対する今後の治療標的を定めるうえで有用な知見がえられた。また新たな痒疹の分類と改訂診療ガイドラインの作成、さらに限られた症例ながら有望な薬剤も提示され、治療効果を享受できる患者が今後みられるようになると期待している。
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