研究課題/領域番号 |
19K08810
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
石川 裕一 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (80721092)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 造血器腫瘍 / 急性骨髄性白血病 / セリンプロテアーぜ / 好中球エステラーゼ / 細胞内シグナル伝達 / セリンプロテアーゼ / セリンプロテーアーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
急性骨髄性白血病(AML)は依然として難治性疾患の一つであり、予後の改善には新規治療法の開発が必要である。申請者は、AMLの発症・再発および治療抵抗性に関わるメカニズムの解明を目的にAML細胞での網羅的な遺伝子解析を行い、白血病細胞におけるセリンプロテアーゼの重要性を見出した。本研究では、セリンプロテアーゼの発現とAMLの発症、治療抵抗メカニズムとの関わりについて解明し、それらを標的とした新規治療法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
急性骨髄性白血病(AML)は依然として難治性悪性疾患の一つであり、研究代表者らは再発AML検体を用いたRNAシークエンス解析を実施したところ、セリンプロテアーゼである好中球エラスターゼ遺伝子群の高発現と異常転写産物発現を同定した。本研究ではAMLにおけるセリンプロテアーゼの遺伝子発現、その生物学的意義の解明を目的とした。AML患者試料を用いた検討では、白血病細胞の分化および細胞系列とPRTN3遺伝子発現量の関連が認められた。また、細胞株、マウス白血病モデルでのPRTN3遺伝子の欠損は、シグナル伝達経路への影響を通じてAML発症、細胞増殖に影響を与え、その治療標的としての可能性を見いだした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、難治性AML試料から同定した好中球エラスターゼ発現の臨床的、生物学的意義について解析を行い、AML発症に関連する分化、融合遺伝子や遺伝子変異と好中球エラスターゼ高発現との関わりについて明らかにした。また、本研究では、同分子が細胞内シグナル伝達経路と関連してAMLの発症進展に重要である事も示し、AMLの発症基盤および治療抵抗因子の解明、新規疾患層別化とその克服につながる成果が得られた。さらに、好中球エラスターゼは、造血器腫瘍以外の悪性腫瘍では殺細胞効果を示すとされ、同分子とその周辺シグナル経路との関わりの解明は、造血器腫瘍のみならず固形腫瘍における新規治療法への発展も考えられる。
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