研究課題/領域番号 |
19K08812
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
進藤 岳郎 京都大学, 医学研究科, 助教 (10646706)
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研究分担者 |
高折 晃史 京都大学, 医学研究科, 教授 (20324626)
伊村 明浩 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (60362513)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 同種造血幹細胞移植 / NK細胞受容体 / KIR / GVHD / 抗腫瘍免疫 / KIRアレル / 全ゲノムシークエンシング / NK細胞活性 / 成人T細胞白血病 / 慢性骨髄性白血病 / 次世代シークエンサー / KIRシグナル / 免疫チェックポイント阻害剤 / 移植片対宿主病 / 移植片対腫瘍効果 / NK細胞多型 |
研究開始時の研究の概要 |
今回、日本赤十字社に保管された本邦全土の非血縁者間骨髄移植のドナーDNAを用いてKIRのアレルタイピングを行う。同多型とレシピエントHLAの組み合わせと移植成績の相関性を解析し、予後因子を抽出する。またKIRアレルのより簡便な診断法の開発を行う。さらにin vitro/in vivoでKIRアレルの機能解析を行い、NK細胞免疫と強く相関するKIRアレルを決定する。以上の臨床・非臨床研究により、KIRアレル多型という新しい視点で最適な移植ドナー選定アルゴリズムを提示し、KIRシグナルを標的とした新規免疫チェックポイント療法の可能性を検討する。
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研究成果の概要 |
Killer cell immunoglobulin-like receptor(KIR)はNK細胞受容体の一つで、NK細胞の機能を調整する。同種造血幹細胞移植ではドナーのKIRが移植予後を規定すると考えられるが、KIR多型は複雑でその臨床的意義は不明であった。 本研究では第1に全17個のKIRアレルとコピー数、ハプロタイプのタイピング法を確立した。第2に本邦で移植を受けた成人T細胞白血病の検体を用いた臨床研究でKIRアレルと予後との相関性を検証した。第3にKIR3DL1アレルを標的とした抗腫瘍免疫の賦活が可能であることを示した。今後はKIRアレルに基づいて新規の移植ドナー選定法を開発する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
KIR多型は同種造血幹細胞移植の予後と相関すると考えられるが、その複雑さゆえ正確なタイピング手法は未確立で、臨床的意義も不明であった。今回KIRアレルの自動化タイピング法を新規に開発し、移植症例でその臨床的意義を検証した。さらにKIR3DL1アレルの機能阻害でNK細胞免疫を賦活できることを見出し、KIR多型に基づく免疫療法という概念を確立した。 現在移植ドナー選定はHLAにのみ基づいて行われるが、それでは限界があり、重度のGVHDや生着不全、免疫再構築の遅延による感染症死を抑制しきれない。本研究でこれら合併症が克服され予後の改善を見込め、移植合併症による社会資源使用の軽減が期待される。
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