研究課題/領域番号 |
19K08825
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
花村 一朗 愛知医科大学, 医学部, 教授 (70440740)
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研究分担者 |
太田 明伸 愛知医科大学, 医学部, 講師 (30438048)
シバスンダラン カルナン 愛知医科大学, 医学部, 講師 (30557096)
鈴木 進 愛知医科大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (70518422)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | FLT3 / CD52 / 白血病 / CRISPR-cas9 / ゲノム編集 / アレムツズマブ / ITD / CRISPR-Csa9 / アレンツズマブ / 化合物ライブラリー / アレンツムマブ / ヒト急性白血病 / alemtuzumab / 遺伝子変異 |
研究開始時の研究の概要 |
FMS様チロシンキナーゼ3 (FMS-like tyrosine kinase 3, FLT3) 変異白血病は予後不良である。近年開発されたFLT3阻害剤は、本疾患の治療予後を改善したが、耐性例も多く長期的効果は不十分である。本研究では、ゲノム編集術により作製したFLT3変異ヒト白血病モデル細胞を利用して、新しい治療薬やバイオマーカー(薬の効果を予測・推定できる指標のこと)の開発を目ざす。ゲノム編集を用いて作製した遺伝子改変細胞は、従来法と比較して患者実態をより正確に反映するため、本研究により、新しい白血病発症および増悪機構や治療標的分子の発見が期待できる。
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研究成果の概要 |
FLT3変異陽性の白血病患者の多くは、従来化学療法に不応である。また、近年開発されたFLT3阻害薬の効果も不十分である。 本研究では、FLT3変異白血病の予後改善を目指し、独自に作製したFLT3変異改変ヒト白血病株とFLT3野生型の親株とで比較解析を行い、新規候補薬を探索・同定した。 本研究において、我々は、FLT3変異改変株では、STAT5の活性化に関連してCD52発現が亢進すること、抗CD52抗体アレムツズマブが、ADCCを介して高い抗腫瘍効果を発揮することを新たに見出した。すなわち、本研究により、アレムツズマブが、難治性血液がんであるFLT3変異白血病の、新規候補薬であることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
遺伝子改変細胞を利用した細胞実験では、遺伝子過剰発現系の細胞実験と比較して、変異遺伝子の機能を正確に解析できる。 本研究成果の学術的意義は、FLT3変異改変細胞を利用すれば、FLT3変異白血病の新規の分子病態や候補治療薬の発見が可能であることを示せたことである。本研究成果をもとに、FLT3変異白血病に対するアレムツズマブの臨床治験が実施され、適応拡大にいたれば、患者の予後改善に直結するため、本研究成果の社会的意義は大きい。既認可薬であるアレムツズマブの有害事象は想定範囲内である。また、アレムツズマブは、既存の抗がん剤やFLT3阻害剤と抗腫瘍機序が異なるため、併用薬としても期待できる。
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