研究課題/領域番号 |
19K08826
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 京都薬科大学 |
研究代表者 |
芦原 英司 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (70275197)
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研究分担者 |
戸田 侑紀 京都薬科大学, 薬学部, 助教 (40779724)
河嶋 秀和 京都薬科大学, 薬学部, 准教授 (70359438)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 多発性骨髄腫 / エクソゾーム / CD63 / 核酸医薬 / 抗体薬物複合体 / 造血器腫瘍 / 急性リンパ芽球性白血病 / ドラッグデリバリーシステム / エクソソーム |
研究開始時の研究の概要 |
本申請研究は、研究代表者が発見したエクソソームの細胞指向性送達理論に基づく、エクソソームの表面抗原に対する抗体とsiRNAを結合させた新規の機能分子開発研究で、この“エクソソーム捕捉型核酸医薬品”を用いて、多発性骨髄腫に対する新たな治療法を開発する。今回開発する新規の抗体結合型siRNAが多発性骨髄腫治療に有効であることが示されれば、この技術は広く各種造血器悪性腫瘍患者さん、さらには固形腫瘍患者さんへの治療にも展開できる。また分子標的小分子化合物のconjugate作製にも展開でき、本研究の技術は多くのがん患者さんに福音をもたらす可能性を有する。
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研究成果の概要 |
研究代表者が発見したエクソソーム(Exo)の細胞指向性送達理論に基づき、Exoの表面抗原CD63に対する抗体とsiRNAを結合させたExo捕捉型抗体薬物複合体を作製し、MM細胞にsiRNAを送達する“Exo捕捉型核酸医薬品”の基礎検討を行った。結果、Exo捕捉型抗体-siRNA複合体がMM細胞内に取り込まれ、この取り込みがエンドサイトーシス阻害剤で抑制されることを示した。次にMMの治療標的分子であるMYC、CTNNB1に対するsiRNAを搭載した複合体は、MM細胞におけるこれらのmRNA発現を有意に抑制した。以上より、本複合体がMMへの核酸医薬品の有効なDDSとなりうることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究により、MM細胞から放出されたエクソゾームがMM細胞に取り込まれることを利用し、“Exo捕捉型核酸医薬品”が多発性骨髄腫治療に有効である可能性が示された。この新技術は、有効なDDSが存在しない造血器腫瘍細胞や血液細胞への核酸医薬品送達へと応用できる。さらには固形腫瘍患者さんへの治療にも展開でき、また核酸医薬のみならず化学療法薬や分子標的治療薬の送達にも応用できる。本研究の技術は多くのがん患者さんに福音をもたらすことができる。
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