研究課題/領域番号 |
19K08841
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
八尾 尚幸 九州大学, 医学研究院, 助教 (90835282)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 多発性骨髄腫 / 骨髄微小環境 / 間葉系幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
多発性骨髄腫は近年相次ぐ分子標的治療薬の登場により、治療成績が大幅に向上したが、未だ再発難治性の疾患である。骨髄腫の進展は、骨髄腫とそれを取り巻く骨髄微小環境との相互作用が大きく関与しており、これまで骨芽細胞や破骨細胞の役割については知られているが、間葉系幹細胞については不明な点が多い。本研究では骨髄腫を支持する間葉系幹細胞をはじめとした骨髄微小環境を構成する細胞を同定し、それらの骨髄腫細胞の進展や再発に対する役割を解明する。さらに化学療法による骨髄微小環境の変化についても解析を行い、骨髄腫と間葉系幹細胞の相互作用を治療標的とした新たな骨髄腫治療法開発を目指す。
|
研究成果の概要 |
骨髄には血球細胞の生存や分化、増殖を支持する微小環境が存在しており、多発性骨髄腫患者骨髄において、骨髄微小環境が骨髄腫細胞の生存と増殖を支持し、化学療法後の微小残存病変や薬剤に対する耐性化を引き起こし、骨髄腫の完治を困難にしていると考えられる。また、高齢者での骨髄腫の罹患率が非常に高いことから、我々は加齢による骨髄微小環境の変化が骨髄腫細胞の生存や増殖に有利に働いていると考えた。我々は骨髄微小環境を構成する主要な細胞の一つである間葉系幹細胞の加齢性変化、また間葉系幹細胞による骨髄腫細胞の生存と増殖に及ぼす影響とそのメカニズムを明らかにするため解析を行った。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多発性骨髄腫は特に高齢者で罹患率が高い疾患であり、わが国でさらに高齢化社会が進むとともに患者数の増加が予想される。また、骨髄腫細胞を標的とした化学療法に対して治療抵抗性を獲得し、再燃・再発を繰り返す症例も少なくない。さらに、骨髄腫は骨病変や腎不全など他の造血器腫瘍と比較して合併症が多く、合併症により日常生活動作が制限され、生活の質が低下する症例も多く見受けられる。このため、骨髄腫の治療抵抗性の分子機構を解明し、メカニズムに基づいた新たな治療法開発は喫緊の課題である。
|