研究課題/領域番号 |
19K08851
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
|
研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
小迫 知弘 福岡大学, 薬学部, 准教授 (40398300)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | ATL / エピジェネティクス / エピジェネティック / サーチュイン / HTLV-1 |
研究開始時の研究の概要 |
HTLV-1は、慢性持続感染後にATLを発症するため、感染・腫瘍・免疫の観点から興味深いモデルである。SIRT7の造血器悪性腫瘍に対する報告は乏しく、その阻害剤に関する報告は無い。また、その免疫系に及ぼす影響に関する知見はほとんど得られていない。本研究では、腫瘍のみならず免疫や感染症におけるSIRT7の役割を同一モデル内で検討可能である。ATLは難治性の血液疾患であり、またHTLV-1感染に起因する極めてユニークな難病である。従って、ウイルス制御の立場からのSIRT7をはじめとするサーチュインを標的とした新規白血病治療法の研究は、抗がん剤治療が主流であるなかで独創性の高い研究である。
|
研究成果の概要 |
成人T細胞白血病(ATL)患者のほとんどは治療抵抗性を示し、特に急性型のほとんどの患者が発病後1年以内に死亡し予後不良である。従って、腫瘍細胞の増殖を効果的に抑制するような、新規作用機序の薬剤によるATL治療法の確立が、焦眉の急となっている。我々が合成した新規SIRT2阻害剤は、ATL細胞を細胞死に導いた。また、SIRT1活性化剤のSRT1720はSIRT1非依存的にカスパーゼ非依存的なアポトーシス及びオートファジーを伴う細胞死を誘導し、腫瘍抑制の効果が得られることが示唆された。今後サーチュインを標的とした薬剤が、白血病治療薬の選択肢の一つとなることができるよう、研究開発を継続していきたい。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
新規SIRT2阻害剤およびSRT1720がオートファジー細胞死を誘導することから、両薬剤の新たな細胞死の作用機序が明らかとなった。また、ATLモデルマウスにおいて、SRT1720は腫瘍量を有意に減少させた。興味深いことにSRT1720はSIRT1ノックダウン細胞においても細胞死を誘導したことから、SRT1720はSIRT1非依存的な経路で抗腫瘍効果を示すことが示唆された。 我々が合成した新規SIRT2阻害剤およびSRT1720をはじめとするサーチュインを標的とした薬剤が、白血病治療薬の選択肢の一つとなることができるよう、研究開発を継続していきたい。
|