研究課題/領域番号 |
19K08852
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
鈴木 貴紘 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 上級研究員 (00553661)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 家族性血小板異常症 / DNAメチル化 / メチローム / 造血前駆細胞分化誘導 / 細胞不均一性 / FPD / RUNX1 / エピジェネティクス |
研究開始時の研究の概要 |
家族性血小板異常症(FPD)は転写因子RUNX1の変異を原因とし、持続的な血小板減少に加え、高確率で骨髄性悪性腫を発症する予後の悪い遺伝性疾患である。FPDはまれな疾患であることに加え、モデル動物で病態が再現できないという問題があり研究がほとんど進んでいない。我々はFPDの原因遺伝子RUNX1にDNAメチル化を制御する新たな機能があることを報告した。この発見はFPDにおいてDNAメチル化異常が生じていることを強く示唆している。そこで本研究はFPDモデルiPS細胞を用いてDNAメチル化異常を網羅的に明らかにし、FPDの新たな発症機構を解明することを目指す。
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研究成果の概要 |
家族性血小板異常症(FPD)は血小板異常・高い骨髄性悪性腫瘍発症率を特徴とする遺伝性の血液疾患である。本研究ではFPDのDNAメチル化異常を明らかにすることを目的に行った。 CRISPR/Cas9システムによってFPDモデルiPS細胞を3株樹立し、in vitroで造血前駆細胞および巨核球に分化誘導を行った結果、FPDモデル細胞では分化異常が示された。また、造血前駆細胞でのDNAメチル化異常を同定し、高メチル化異常部位にETSファミリー転写因子結合モチーフが濃縮していることを見出した。このことは、ETSファミリー転写因子がFPDにおいてDNAメチル化異常を誘発していることを示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はこれまで知られていなかった家族性血小板異常症のDNAメチル化異常を明らかにした新規性の高い研究成果である。ま家族性血小板異常症は高率に骨髄性悪性腫瘍を発症することから"前がん状態"にあると考えることができる。実際に家族性血小板異常症の原因遺伝子RUNX1は突発性の骨髄性悪性腫瘍においても高い確率で変異がみられる。このことから、本研究で明らかとなった家族性血小板異常症でのDNAメチル化異常は家族性血小板異常症自体の理解を深めるとともに、骨髄性悪性腫瘍の発症メカニズムについても重要な知見を与えるものである。
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