研究課題/領域番号 |
19K08854
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
東 寛 旭川医科大学, 医学部, 名誉教授 (00167909)
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研究分担者 |
鳥海 尚久 旭川医科大学, 医学部, 助教 (30516399)
長森 恒久 旭川医科大学, 医学部, 講師 (40400098)
更科 岳大 旭川医科大学, 大学病院, 講師 (40431407)
酒井 宏水 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70318830)
吉田 陽一郎 旭川医科大学, 大学病院, 助教 (80750306)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | MDSC / liposome / fatty acid / NFkB / macrophage / MAP kinase / micro vesicle / ER stress / B7-H3 / リポソーム / MDSD |
研究開始時の研究の概要 |
1: MDSC上に発現するB7-H3分子のT細胞増殖抑制機能への関与の有無、2: NFkB signaling経路の関与をさらに明確にするためにNFkB(p65)の核内への移行の有無及び、その他の刺激伝達系の活性化の有無、3: リポソームのマクロファージへの取り込み機序、特に何らかのレセプター介しているのか否かを明らかにする。リポソームの細胞内取り込みの機序とその下流で活性化される刺激伝達系が判明すれば、生体内でのMDSC誘導機序そのT細胞増殖抑制機序に関する新たな知見となる。また、その成果は、MDSCの産生やその機能を制御する創薬を開発するための分子基盤となる。
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研究成果の概要 |
リポソーム粒子をラットに静注すると脾臓内にT細胞の増殖を抑制する細胞が一過性に誘導される。この細胞は、リポソームを捕捉した脾マクロファージで、T細胞の抑制にはcell-to-cell contactが必要であり、直接的なエフェクターはnitric oxideである。B7-H3分子がその細胞表面マーカであり、iNOSが陽性で、NFkB及びMAP kinaseが活性化している。以上より、当該細胞は、腫瘍組織内に出現しているB7-H3陽性の骨髄由来免疫抑制性細胞(MDSC)と類似していると結論された。また、リポソーム粒子は主として、マクロピノサイトーシスにより細胞内に取り込まれる実験結果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
リポソーム粒子が免疫抑制性細胞を誘導しうる事は、リポソームの薬理作用として新規の発見であり、リポソーム粒子を含むナノ粒子の免疫機能への影響に関する新たな研究に繋がる可能性がある。 また、リポソームが脂質二重膜の小胞で、細胞膜由来のmicrovesicle(MV)と類似するので、本成果は、生体内でMVを捕捉したマクロファージがMDSC様細胞に変化しうる事を示唆する。この事と、MDSC内には脂質の蓄積があるという最近の報告から、担がん状態におけるMDSC誘導機序の一つとして、腫瘍周辺のマクロファージががん細胞由来のMVを捕捉して脂質を蓄積し、MDSC様に変化するという仮説を立てることができた。
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