研究課題/領域番号 |
19K08869
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
上地 珠代 宮崎大学, 医学部, 准教授 (10381104)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | リボソームタンパク質 / 先天性貧血 / ゼブラフィッシュ / 翻訳 / 貧血 / ゲノム編集 / リボソーム / リボソーム病 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞内のタンパク質合成の場であるリボソームは全身に存在している。しかし、リボソームの異常は様々な疾患を引き起こす。これはリボソームの機能が組織によって異なることを示唆する。リボソームタンパク質(RP)の異常による先天性貧血では、赤血球造血に関わる因子の産生が特異的に低下する可能性が示された。本研究ではその詳細な分子機構の解明を目指す。まず、ゼブラフィッシュにおいて複数のRP遺伝子の変異モデルを作製する。それらを用いて特定のタンパク質の発現や糖鎖修飾が変動することを明らかにする。さらに、ヒト細胞を用いて同様の現象が見られることを確認し、貧血発症のメカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
リボソームはタンパク質を合成する装置で、全身の細胞に存在する。しかし、その異常は特定の組織の異常(疾患)を引き起こす。それは、組織ごとに異なる翻訳調節のしくみがあるためと推測した。代表的な疾患である先天性貧血を、ゼブラフィッシュを用いて再現(特定のリボソームタンパク質の発現を抑制)し、貧血を引き起こす分子メカニズムの解明に挑んだ。その結果、造血に関与する遺伝子に加え、糖鎖の生合成に関与する遺伝子の翻訳効率が低下することを見出した。また、この遺伝子の過剰発現により赤血球数が回復することも確認した。リボソームタンパク質が関与する遺伝子特異的な翻訳調節機構が正常な赤血球造血に必要であると考えた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトのリボソームは79種類のタンパク質と4種類のRNAで構成され、RNAは約200箇所で化学修飾を受ける複雑な構造体である。タンパク質や修飾の翻訳における役割は未解明であり、リボソームの組み立てを担う因子も含めて、いずれかの異常は様々な先天性疾患との関連が示唆され、将来的にがんを発症しやすいこともわかってきた。これらリボソーム病の発症メカニズムの解明は、治療法の開発や創薬に必須である。先天性貧血モデルを用いて新たな知見が得られたことは、リボソーム病の解明に向けた重要な基盤情報になると考える。
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