研究課題/領域番号 |
19K08871
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
小船 雅義 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90336389)
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研究分担者 |
井山 諭 札幌医科大学, 医学部, 講師 (50398319)
池田 博 札幌医科大学, 医学部, 助教 (60570132)
後藤 亜香利 札幌医科大学, 医学部, 助教 (60722387)
菊地 尚平 札幌医科大学, 医学部, 助教 (80515792)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 細胞外小胞 / 骨髄間葉系幹細胞 / マイクロRNA / miR-7977 / HIPPO / STK4 / PCBP1 / 急性骨髄性白血病 / iPS細胞 / YAP1 / PD-MSC / リプログラミング / エクソソーム / 骨髄リプログラミング / 白血病 / 骨髄異形成症候群 |
研究開始時の研究の概要 |
白血病・骨髄異形細胞の遺伝子解析の結果、主にエクソームの範囲で遺伝子変異の概要が明らかとされてきた。一方、最近になって、白血病・骨髄異形症候群の発症進展における間質機能異常の重要性がクローズアップされている。最近、骨髄間質液中には高濃度の細胞外小胞が存在し、間質細胞の造血支持機能の異常を惹起することを報告した。しかしながら、骨髄細胞外小胞はマイクロRNAのみならず、多彩な物質を同時に標的細胞に運搬するため、その役割の全貌は未解決である。本研究では骨髄内細胞外小胞の組成から、その分泌細胞を同定するとともに、異常な骨髄細胞外小胞を正常化することで骨髄リプログラミングという新規治療法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
最近、ヒトMDS/AMLの発症進展における間質機能異常の重要性がクローズアップされている。本研究では、AML細胞由来の細胞外小胞中に高濃度に内包されるマイクロRNAとして、miR-7977、miR-8073およびmiR-4286を同定した。特にmiR-7977は間葉系幹細胞(MSC)に作用してPCBP1およびSTK4の発現を低下させることで複数の遺伝子発現の低下、Hippoシグナルを解除することで、白血病細胞の生存に有利な骨髄微細環境構築に関与する。さらに幼若細胞由来の細胞外小胞によるMSCの若返りを検討した。限定的効果として老化マーカー分子βガラクトシダーゼの発現の低下のみが検出された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、MDSやAMLで見られる間質機能異常を誘導する機序の一つとして、白血病細胞から放出される細胞外小胞が関与する可能性が明らかとなった。また、骨髄細胞外小胞を骨髄微細環境の一部と捉えている点も独創的な研究である。この研究成果から白血病由来の細胞外小胞の内容物を用いた分子診断や治療標的とする研究に発展する可能性があり学術的意義が高い。この成果は他の血液腫瘍疾患の他、他の臓器の固形癌にも応用できる研究成果であり、幅広い社会的意義がある。また、細胞外小胞を用いることで老化間葉系幹細胞の一部の老化マーカーを解除できたことは、若返り研究の一つの戦略法として意義がある成果と考えられる。
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