研究課題/領域番号 |
19K08872
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
黒田 純也 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70433258)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 多発性骨髄腫 / RSK2 / AKT / 分子標的 / 創薬 / 小分子化合物 / BH3-only protein / Bid / 創薬研究 |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者は、先行研究により、難治性造血器悪性腫瘍であり、細胞遺伝学的・分子生物学的異常が複雑、かつ、症例間で分子異常のパターンが高度に不均一なMMにおいて、RAS経路最後尾のシグナル媒介分子であるRSK2が、上流分子の構造的異常や活性の状態に関わらず普遍的・恒常的に活性化状態にあり、病態形成において中心的役割を果たすこと、その阻害は分子生物学的異常のタイプに関わらずRAS経路シグナルを最後尾で遮断可能であり、治療標的分子となりうることを見出した。しかし、これまでにヒトに投与可能で特異性の高いRSK2標的薬は無いことから、本研究ではRSK2を標的とするヒット・リード化合物の開発に挑戦する。
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研究成果の概要 |
多発性骨髄腫は既存の治療戦略による完治が困難な難治性造血器腫瘍である。研究代表者らは、同疾患においてセリン・スレオニンキナーゼ RSK2のN末端キナーゼドメインが新規の治療標的分子に成り得る可能性を発見していたことから、本研究では「多発性骨髄腫に対するRSK2を標的とした創薬開発」を目指した研究を行った。その結果、RSK2/AKT/S6K同時阻害の強力な抗腫瘍効果の理論的基盤を確立し、その制御を可能とするリード化合物として複数の5H-pyrrolo[2,3-d]pyrimidin-6(7H)-one誘導体を同定した。今後、前臨床試験を通じて、創薬開発へと更に研究を進める予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではRSK2の機能をAKT, S6Kが補完すること、これらを同時に阻害することでMYCやMTOR、VEGF、各種の造腫瘍性サイトカインシグナルの同時ブロックが可能となり強力な抗腫瘍効果が得られることを見出した。これまでヒトに治療薬として投与可能なRSK2標的薬は臨床実装化されていないが、本研究においてRSK2/AKT/S6Kの同時制御を可能とするリード化合物として複数の5H-pyrrolo[2,3-d]pyrimidin-6(7H)-one誘導体を同定したことは、今後の創薬開発にむけて重要な成果を得たものと考える。
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