研究課題
基盤研究(C)
血小板は止血機能に重要な細胞です。一方血小板は脳梗塞や心筋梗塞を生じる引き金の一つでもあることも解っています。通常、骨髄で産生された血小板は血液中で7日間働いたのちに寿命を終えます。今回の研究は、血小板が生まれ寿命を終えるまでに、autophagyが血小板内でどのような働きをしているかを研究します。その結果、血小板が関連する特定の病気を見つける検査法や、治療の手がかりを掴むことが期待されます。
巨核球から血小板が作られる過程では、proplateletより血小板前駆体に分配されたオルガネラは過剰であり、個々の血小板として成熟する過程でオルガネラ量が調整されてゆくことが示された。この過程をautophagyがオルガネラの消化を通じて制御していることが示された。この現象を利用して、ヒトの血小板減少症の鑑別診断に有用かを検討した。免疫性血小板減少症の患者の血小板ではAutophagyの亢進が起こっており、その測定は鑑別診断の一助となる事が示された。
本研究結果は、一つの巨核球(血小板産生細胞)が、数千の血小板を短時間で産生する際に、一旦ばらばらの大きさの血小板が放出されるが短時間のうちに、均一な血小板に変化している現象について、autophagy(細胞内の自食装置)が大きく関わっている事を示した。ついでこの現象を臨床検体で把握することにより、ヒトの血小板減少症において、臨床的に原因を調べる手掛かりとなりうることを示した。今後、血小板が関わる他の疾病(血栓症、脳卒中、白血病など)における、創薬(血栓予防薬や血小板数抑制薬)、検査法(血小板産生状況、血小板の未熟さや血栓傾向の程度)の理解が進む足場となる成果が得られた。
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