研究課題/領域番号 |
19K08903
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
溝口 史高 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (60510360)
|
研究分担者 |
長谷川 久紀 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (00707028)
|
研究期間 (年度) |
2019 – 2020
|
研究課題ステータス |
交付 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 特発性炎症性筋疾患 / 多発性筋炎/皮膚筋炎 / トランスクリプトミクス / single cell RNA-seq |
研究開始時の研究の概要 |
多発性筋炎・皮膚筋炎(PM/DM)患者の筋組織に浸潤している免疫細胞を1細胞レベルで詳細かつ高解像度に解析し、筋局所における免疫細胞の特徴と多様性(免疫表現型)を明らかにする。これにより、筋傷害を引き起こすメカニズムを細胞レベル・分子レベルで明らかにし、新たな治療標的の同定を目指す。 更に、筋組織の免疫表現型の患者間の多様性を明らかにすることによりPM/DMを病態に基づき再分類する。これにより個々の患者に対しどのような作用機序の薬剤が有効かを同定することが可能になると期待され、既存薬のリポジショニングや、新たな作用機序の薬剤の開発へとつなげるための基盤を確立する。
|
研究実績の概要 |
本研究では、多発性筋炎/皮膚筋炎(PM/DM)患者の筋組織内の免疫細胞をsingle cell RNA-seqで解析し、筋局所での免疫細胞の特徴と多様性を明らかにして、筋傷害に関連する免疫細胞サブセットの機能とその機能制御に関与する遺伝子の働きをヒト(h)iPS細胞由来の筋細胞とCD8+T細胞(CTL)との共培養系で評価し、新規治療標的の同定を目指した。 1患者の筋生検組織を酵素処理し、浸潤している免疫細胞を単離して、cDNA増幅の条件検討後、ライブラリを作成してシークエンスを行った。CD45+細胞の遺伝子発現データの主成分解析で、CD14+細胞/CD4+細胞/CD8+細胞ごとのクラスター形成を認め、umap解析で各細胞種内に複数のクラスターに分かれた亜集団形成を認めた。今後は、各細胞腫の亜集団の遺伝子発現パターンを解析し、免疫細胞サブセットであるか明らかにする。既に3患者の筋組織から細胞を採取済みだが、複数患者検体の解析から筋局所の細胞の免疫表現型の多様性を明らかにし、免疫表現型に基づいて患者をサブタイプ分類する。そして、臨床的特徴を説明する病態からサブタイプごとに有効な治療薬を予測し、薬剤選択の最適化や既存薬剤のリポジショニングによる新規治療開発を目指す。 ヒト筋炎のin vitroモデルの方は、樹立済みのPM患者由来hiPS細胞3例のHLAハプロタイプを解析し、WT1を提示するHLA-A*24:02が陽性の1例のhiPS細胞株に筋原生転写因子MyoDを導入して高率に筋細胞へと分化するMyoD強発現hiPS細胞バルクを樹立した。また、京都大学河本先生から頂いたWT1特異的再生CTLが、WT1存在下でHLA-A*24:02+抗原提示細胞により当研究室でも増殖・活性化することを確認した。現在、hiPS細胞由来筋細胞に対するWT1特異的再生CTLによる細胞傷害系を確立中である。
|