研究課題/領域番号 |
19K08916
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
中村 潤 自治医科大学, 医学部, 助教 (70646314)
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研究分担者 |
高橋 将文 自治医科大学, 医学部, 教授 (40296108)
唐澤 直義 自治医科大学, 医学部, 講師 (60631893)
渡邊 幸子 自治医科大学, 医学部, 助教 (80770619)
駒田 敬則 自治医科大学, 医学部, 講師 (90824730)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 川崎病様血管炎 / CAWS血管炎 / NLRP3インフラマソーム / IL-1β / 骨髄由来樹状細胞 / CAWS / 血管炎 / 川崎病 / 炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
川崎病は、乳幼児に発症する血管炎で、その病因や発症機序は明らかではない。近年、川崎病とカンジダとの関連が指摘されており、その培養上清由来のCAWS(Candida albicans water soluble fraction)のマウス投与により血管炎が誘発され、川崎病様血管炎モデルとして知られる。我々は、このCAWS血管炎発症機構の一部を明らかにしてきたが、さらに新たな自然炎症経路であるNLRP3インフラマソームが、本病態に寄与しているとの予備的結果を得た。そこで、本モデルにおけるNLRP3インフラマソームの役割を解明し、川崎病の血管炎に対する新たな治療・予防戦略の確立を目的に研究を行う。
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研究成果の概要 |
CAWS血管炎におけるNLRP3インフラマソームの役割を解明を目的とした。 その結果、CAWS血管炎の発症にNLRP3インフラマソームが重要な役割を果たしていることが明らかになった。また、NLRP3インフラマソーム活性化の責任細胞として骨髄由来樹状細胞が同定された。さらに、CAWSがIL-1β産生を誘導する細胞内シグナルを解析したところ、Dectin-2/Syk/JNK/NF-κB経路を介してIL-1β前駆体およびNLRP3合成(プライミング経路)が誘導され、Dectin-2/Syk/JNK/ミトコンドリア活性酸素経路を介してNLRP3インフラマソームが活性化させることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
川崎病は、主に冠状動脈に炎症が生じる原因不明の汎血管炎で、小児臨床において重要な課題の一つとなっている。川崎病ではIL-1βやTNF-αなどの炎症性サイトカインが重要な役割を担っている可能性が示唆されていることから、IL-1βの産生・分泌に関わるNLRP3インフラマソームが川崎病の病態に関与しているとの仮説を立てた。これを実証するために、CAWS 血管炎マウスモデルを用いて研究を行った。その結果、CAWSモデルでの血管炎発症には、NLRP3インフラマソーム活性化が関与していることが示された。この結果は、川崎病の治療標的としてのNLRP3インフラマソームの可能性を示唆するものであった。
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