研究課題/領域番号 |
19K08930
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
千田 淳司 徳島大学, 先端酵素学研究所, 助教 (20437651)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | インフルエンザ / プリオン蛋白質 / 抗プリオン抗体 / 脳症 / 多臓器不全 / 重症化 / 抗PrP抗体 / SFK蛋白質 / マクロファージ / SFKタンパク質 / 炎症性サイトカイン / Src / Src蛋白質 |
研究開始時の研究の概要 |
・Srcのリン酸化が起こる浸潤性細胞を特定する。 申請者らは、抗PrP抗体を前投与したIAV感染マウスの肺において、何らかの浸潤性細胞でSrcタンパク質のリン酸化が起こることを見出した。この浸潤性細胞は抗PrP抗体を投与したIAV非感染肺では認められないことから、自然免疫系を担当する細胞である可能性が高い。それがマクロファージ、樹状細胞、好中球であるのかそれ以外の細胞なのかを明らかにする。 ・抗PrP抗体の投与が、如何にしてIAV重症化を軽減するのかその機序を明確にする。 ・PrPを分子標的とした治療が可能であるのか否かについて検証する。
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研究成果の概要 |
研究代表者は、抗プリオン蛋白質抗体(抗PrP抗体)を前投与したインフルエンザAウイルス(IAV)感染マウスの肺のマクロファージでは、Src family kinase(SFKs)タンパク質のリン酸化が起こり、抗炎症性(M2)マクロファージに分極していることを確認した。すなわち、IAV感染で重症化するマウスの肺では炎症性(M1)マクロファージが増加して「サイトカイン・ストーム」を引き起こすものと考えられるが、抗PrP抗体はマクロファージに作用してM1マクロファージへの分極を抑制し、M2マクロファージの分極を誘導して「サイトカイン・ストーム」を回避する効果があることを実証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
インフルエンザの重症化機序が明確でない現状で、抗ウイルス薬の一方的な投与が原因で、抗ウイルス薬の耐性株が世界各地で急増している。一方、ワクチンではインフルエンザの感染予防は不可能であると世界保健機関が既に提言している。このような背景から、抗ウイルス薬とは作用機序の異なる「耐性株を出現させない治療薬」の開発が急務であるが、これまで宿主因子を標的とした治療薬の開発は国内外で成功例がない。従って、宿主因子であるPrPを分子標的とした治療薬を開発する試みはこれまでに例がなく、本研究の成果は、今後この方面の研究に大きく貢献することが期待される。
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