研究課題
基盤研究(C)
MERS-CoVの本来の病原性は軽度の風邪を起こす程度のものであり重症化するには宿主側かウイルス側、あるいはその両方に原因がある。そこで、感染動物モデルを用いて、宿主側(マウス側)あるいはウイルス側を変化させて、MERS-CoVの重症肺炎の機序を探る。最終的には重症かの原因を特定し、病原性の解明、治療薬の開発、治療法の解明につなげる。
MERS-CoVは重症肺炎を引き起こし、基礎疾患を持つ人ほど重症化リスクが高い。その重症化メカニズムは未解明で、治療薬やワクチンの開発も進んでいない。私たちはMERS-CoV受容体を発現するトランスジェニック(Tg)マウスで重症肺炎モデルを作製し、重症化と回復の違いから、その機序を解明することとした。報告から、type 1およびtype 2 IFN の低下が重症化の一因と示唆されていたため、Tgマウスに抗IFNAR1抗体と抗IFNγ抗体を投与し炎症を抑制後、MERS-CoVの感染を試みた。マウスの体重変化に影響はあったが重症化せず、重症化には炎症要因に加えて他の要素も必要であることが分かった。
本研究は、MERS-CoVの重症化メカニズムを解明し、感染制御や治療法の開発に貢献する学術的な意義がある。また、type 1およびtype 2 IFNの低下が重症化の要因と示唆され、炎症以外の要素も関与していることが明らかとなった。MERS-CoV感染症への理解が深まり、将来的な予防策や治療法の開発につながる可能性がある。これにより、感染症対策や公衆衛生政策の向上に貢献することが期待される。
すべて 2023 2022 2020 2019
すべて 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 1件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (6件)
Global Health & Medicine
巻: 5 号: 1 ページ: 5-14
10.35772/ghm.2022.01060
iScience
巻: 26 号: 5 ページ: 106694-106694
10.1016/j.isci.2023.106694
Journal of Virology
巻: 97 号: 1 ページ: 1-21
10.1128/jvi.01366-22
Vaccine
巻: 41 号: 11 ページ: 1834-1847
10.1016/j.vaccine.2022.12.025
Scientific Reports
巻: 12 号: 1 ページ: 20861-20861
10.1038/s41598-022-25418-5
Nat Commun . 2
巻: 13 号: 1 ページ: 6100-6100
10.1038/s41467-022-33911-8
巻: 40 号: 41 ページ: 5892-5903
10.1016/j.vaccine.2022.08.049
巻: 40 号: 31 ページ: 4231-4241
10.1016/j.vaccine.2022.05.081
Vaccines
巻: 8(4) 号: 4 ページ: 634-634
10.3390/vaccines8040634
Microbiology and Immunology
巻: 64 号: 1 ページ: 33-51
10.1111/1348-0421.12754