研究課題/領域番号 |
19K08946
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
|
研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
阿戸 学 国立感染症研究所, ハンセン病研究センター 感染制御部, 部長 (20392318)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 免疫グロブリン / ハンセン病 / 免疫グロブリン様受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
ハンセン病は、世界で年間20万人以上の新規患者が認められ、依然として国際的に重要な公衆衛生学的課題である。 本研究は、L型ハンセン病病変部位のLILRA2発現および免疫グロブリン部分分解産物の存在について、その存在が認められた場合は、ヒトから分離したLILRA2発現白血球亜群細胞等を用いて、免疫グロブリン分解産物がらい菌感染免疫応答へ及ぼす影響を解析し、L型ハンセン病の病態形成に関与するを解明することを目的とする。これらが判明すれば、ハンセン病の病態の解明につながり、ハンセン病の早期診断と早期治療の開始、発症ハイリスク者の発症予防対策等に対し、大いに貢献することが可能となる。
|
研究実績の概要 |
ハンセン病は、世界で年間20万人以上の新規患者が認められ、依然として国際的に重要な公衆衛生学的課題である。ハンセン病は多様な症状を示す感染症であるが、その症状や感染の重篤度には、宿主免疫が大きく関わっている。すなわち、ある程度の免疫が保たれている患者はTh1免疫応答優位の病態を示す。一方、Th2免疫応答が優位となるLepromatous(L)型の病態では、病変が全身に広がり、治癒にも長期間を要する。しかし、どのような分子機構によって、特定の病型を呈するようになるかは未だ不明である。 近年、L型ハンセン病患者のバイオマーカー候補として、免疫グロブリン様受容体(Leukocyte Immunoglobulin-like Receptor) A2 (LILRA2)が同定された。ハンセン病病変部位の自然免疫細胞におけるLILRA2発現およびリガンドである免疫グロブリン部分分解産物の存在について解析し、免疫グロブリン分解産物がらい菌感染に対する自然免疫応答、らい菌特異的獲得免疫のサイトカイン産生等で評価される免疫の質と強度を確認し、L型ハンセン病の病態形成因子を解明することを目的とする。種々の病型を示すハンセン病患者から診療目的で採取された皮膚(神経)病理組織パラフィンブロックにつき、ヒトに対する医学研究倫理審査で承認を得て、ハンセン病病理組織パラフィンブロックを入手した。また、抗体染色の条件設定ならびにLILRA2-Fc融合タンパクによる結合物検出を試みた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度に続き、新型コロナウイルスの影響で、共同研究者との連絡 試料の送付等のやりとりが遅れているため
|
今後の研究の推進方策 |
組織学的解析の結果、LLハンセン病患者の病変に存在する骨髄由来細胞の一部がLILRA2-Fc融合タンパクに結合することが判明した。当該細胞は免疫グロブリン部分分解産物を表面に発現しないと考えられることから、現在リガンドの同定を進めている。
|