研究課題/領域番号 |
19K08967
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
高塚 翔吾 国立感染症研究所, 真菌部, 主任研究官 (90609398)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | Aspergillus / ABPA / 炎症 / 抗体 / アレルギー / アレルゲン / IgE / IPA / 感染 / 真菌 / fumigatus / B細胞 / Signal Sequence Trap / aspergillus / Antibody / SST |
研究開始時の研究の概要 |
近年、アスペルギルスを吸引することで発症するアレルギー喘息様の気管支肺アスペルギルス症が問題となっている。その中でこれまで私たちはSignal Sequence Trap 法によって病原因子となり得るアスペルギルスの抗原候補を選択し、抗原候補パネルを作成してきた。これらの中にはアレルギー炎症を誘導するようなアレルゲンとなりうるものも含まれると考えられ、これらの抗原候補の中から新規のアレルゲン候補分子を見つけることを目標とする。またその候補分子が誘導するアレルギー炎症応答メカニズムを解析する。さらに新規アレルゲンに対する抗体を作製し、気管支肺アスペルギルス症に対する新規診断法への応用を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究課題では独自にスクリーニングしたアスペルギルスの分泌タンパク質を解析し、肺アスペルギルス症に係る病原性因子を特定した。さらに標的抗原Y69の抗体を作製してアレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)におけるY69の機能を明らかにした。具体的にはY69を欠損させたアスペルギルスフミガーツス株は肺内での菌糸生育が著しく低下し、マウスの致死率が有意に低下した。またABPA誘導マウスにおいてY69は肺内のT細胞を積極的に活性化させることでIL-17A産生を誘導し、ABPAを重篤化させるメカニズムが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、環境中を漂うアスペルギルスを吸引することによって引き起こされる様々なアスペルギルス症が問題となっている。しかしながら気管支肺アスペルギルス症をはじめとしてアスペルギルス症を重篤化させる因子に関しては未解明な点が多い。特にタンパク質性の病原因子はほとんど明らかになっていないため、本研究課題では主にタンパク質性の病原因子を探索するスクリーニング法を採用し解析を進め、その機能を明らかにした。また独自のDNA免疫法を使用して標的抗原Y69に対するモノクローナル抗体を作製した。今後の解析結果次第となるが本研究課題で開発した抗体は将来的に抗体医薬や検査薬等への応用も見込めるものとなる可能性がある。
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